みなさんの地元に必ず存在する消防団ですが、普段はどんな活動をしているのか知らない方が多いです。万一、地元で火災が起きた時には真っ先に現場に駆けつけるのが、消防団の消防車になります。今回はあまり知られていない、地元の消防団の活動を見ていきましょう。
地元の消防団とは
消防組織法に基づいて、各市町村に設置される消防機関のことで、直接には自治体の条例に基づき設置されており、全国統一の運用と自治体独自の運用の両方が存在します。団員は、消防団に所属しながら別に本業を持っていて、自治体から装備及び報酬が支給される、市町村における非常勤地方公務員扱いとなっています。報酬や出勤手当については、年額報酬および災害活動やイベント訓練に参加した際に手当が支給されます。また、退職時には退職報奨金が支払われますし、公務で被害を受けた際には、公務災害保証金が支払われます。
意外とプライベートが束縛される
先の消防団の説明を見ると、副業的な扱いにみえて羨ましく思える方もいるでしょう。「火事なんてそうそう起きるモノでもないし、手当がもらえて退職金まででるなら、いい商売じゃない!」このような意見を聞くこともよくあります。ですが、それは間違った見方であって、消防団員は一般の方に比べるとプライベートが束縛されてしまいます。例えば、火災はいつ起こるか分かりません。ですから、普段から消防車を運転する担当者は飲酒を控えています。各消防団の中で持ち回り制にしたり、お酒を飲まない人をドライバーにしたり工夫はされているようです。また、休日もさまざまなイベントに参加することも多いです。さらには、災害救助活動には普段から訓練が必要となるため、平日に会社を休むこともありますし、休日が1日潰れることは多いです。
地域の危険個所を最も詳しく把握している
地元の消防団の方達は、地域の危険個所を最も詳しく把握しています。例えば、大雨が降った時に浸水する場所や、崖崩れの危険度が高い場所など、ハザードマップには載らない局所的な危険個所を把握しています。浸水する場所には大雨が降る度に土のうを積んで浸水を防ぎ、雨が止めば土のうを撤去します。崖崩れの危険性がある場所は、大雨時などには監視を続けています。台風の大雨の中では、誰もが家で大人しくしておきたいでしょう。そんな時に、消防団は地域の安全を守るために活動しているのです。
ボランティア精神がないと勤まらない
その地域の消防団が認めさえすれば、消防団員になることができます。ですが、先ほど説明した通り、危険な時に危険な場所にいき、火災が起きれば夜中でも起きて現場に駆けつけます。そのような現場では、鎮火まで現場を離れず監視することもあります。休日はゆっくり寝坊することもできず、朝早くから訓練に参加することも当たり前。このような消防団の日常に付いていくには、ボランティア精神あふれる方でないと勤まらないでしょう。現実に、20代や30代の若者が消防団員となるのを嫌がっているので、高齢化が進んでいます。災害時にはパワーが求められる現場が多い中、高齢者だけでは消防団としての機能を果たせない場面も多くあります。なので、どの地域でも若い方の、消防団への加入運動を進めているようです。
まとめ
・地域の消防団は消防組織法に基づいて設置されている
・地域の危険ヵ所は消防団員が最も詳しく把握している
・大雨時には警戒に当たるなど危険に向き合っている
・消防団にも高齢化が押し寄せている
・若い力を求めている