「近頃治安が悪くなかった」
「物騒な事件が多くなった」
と感じている人もいるのではないでしょうか。
これは果たして本当なのでしょうか。
また、人はどのようなことをもって「治安が悪い」と感じているのでしょうか。
実は刑法犯認知件数は右肩下がりになっている

「近頃は物騒になった」と言われていますが、実は刑法犯認知数は右肩下がりにさがっていっています。特に、平成28年は、戦後初となる、「刑法犯認知数が10万人を切った年」でした。
「たしかに刑法犯自体は下がっていっているが、凶悪犯罪がたくさんおきているんだろう」と思う人もいるかもしれません。
しうかし、多少の増減はあるにせよ、実は殺人などの件数も少なくなっているのです。
つまり日本の治安は、かつてよりもずっとよくなっているわけです。
「最近の治安は悪くなった」と答える人が6割

ただ、データとしてみると、まったく違う数字が浮かび上がってきます。
「近頃治安が悪くなったと思う」と答えた層は60パーセントを超えており、「良くなった」と答えた人)35.5パーセント)を大きく突き放します。
実際の数字はさがっているのに、「治安が悪くなった」と考える人が多いことには理由があります。
まず、今まではなかった新しい手口がどんどん増えていっていること。昔と今では犯罪の質は大きく異なっており、これが不安の原因となっています。
また、地域社会との連携が薄くなったこと、本来は手に入れるべきではない情報に簡単に接することができるようになったことも、人々の不安をかきたてます。
昔の事件とは異なり、「わからないこと」「不明点」という「得体のしれないもの」に対する恐怖心もあり、このような統計になっているのでしょう。
それは、「不安を感じる場所はどこか」という質問の1位に、「インターネット空間」が挙がっていることからも推察できます。「分かりやすい犯罪方法」以外の、理解できないものとしてインターネットがとらえられているといえるのかもしれません。
まとめ
・実際には刑法犯の認知数は減っていっている
・60パーセント以上の人が、「治安を感じている」としている
・現在は、得体のしれない新しい犯罪も増えている
・インターネット空間に不安を覚える人も多い
参考サイト
◆政府広報オンライン:「全国地域安全運動/安全安心なまちづくりの日 みんなでつくろう安心の街」
◆内閣政府広報室:「「治安に関する世論調査」の概要」