新型コロナウイルスによる感染症が世界中に脅威をもたらしています。その中で注目されているのが、ウイルスの感染経路です。新型コロナウイルスに限らず、ウイルスや細菌は様々な経路を辿りヒトの体内に侵入し、新たに感染を起こします。感染経路は接触感染や飛沫感染、空気感染等、複数ありますが、それぞれどのような感染の仕方をするのか知らない方が多くいます。
感染症を予防する為にはどのようにウイルスや細菌が感染していくのかという感染経路を知り、適切な予防策をとる必要があります。そこで今回は、意外と知られていない感染経路について詳しくご紹介いたします。
感染経路について

感染症の原因となるウイルスや細菌は、様々な経路を辿ってヒトの体内に侵入します。感染経路には接触感染、経口感染、糞口感染、飛沫感染、空気感染、母子感染等があります。それぞれどのような感染経路なのか、見ていきましょう。
接触感染
病原体が粘膜や傷口等に直接触れることで感染することを接触感染と言います。または病原体が付着した手指や物、病原体が含まれた嘔吐物等を介して、間接的に感染することも接触感染になります。例えばドアノブや手すり、スイッチ、タオル、便座等に触れて病原体が手に付着、その手で鼻や口等を触ることで病原体が体内に侵入して感染するのです。
接触感染が感染経路になる主な感染症は、インフルエンザやノロウイルス、ロタウイルス、風疹、流行性結膜炎、咽頭結膜熱(プール熱)、梅毒等です。
接触感染を防ぐ為には、十分な手洗いや身の回りの消毒が大切です。
経口感染
経口感染は、病原体に汚染された食べ物を食べたり、飲んだりすることによる感染です。経口感染による代表的な感染症はノロウイルスやロタウイルス、O157、赤痢等です。
また、病原体が含まれた糞便を介して感染することを糞口感染と言います。
経口感染を防ぐには、食べ物を十分に加熱して食べること、そして十分に手洗いすることが大切です。
飛沫感染

飛沫感染は、病原体が含まれる飛沫を吸入することによる感染です。感染者が咳やくしゃみをした時や会話をした時に病原体が飛散します。飛散した病原体が他の人の体内に侵入することによって感染するのです。もしくは、飛散した病原体が付着した物に触れて感染します。
飛沫は水分・唾液を含む5マイクロメートル以上の大きな微粒子なので、飛散しても1~2m程度の距離で落下します。空中に長時間留まり続けることはありません。
つまり、感染者から1~2mから離れるか、マスクをすることで感染のリスクが低くなるのです。
飛沫感染による代表的な感染症は風邪やインフルエンザです。他にも百日せき、流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)、風疹等があります。
空気感染
空気感染は空気中に漂っている病原体が、体内に侵入することによる感染です。飛沫感染よりも小さい5マイクロメートル以下の微粒子なので、長時間空中に漂い続けます。つまり閉鎖された空間で感染者と過ごすだけで、感染する恐れがあるということです。
空気感染による感染症は水痘(水ぼうそう)や麻疹(はしか)、結核等です。
母子感染(垂直感染)
母子感染(垂直感染)は、母親から病原体が直接伝播されることで胎児や新生児が感染することを言います。母子感染には妊娠中に胎盤を介して感染する胎盤感染や、授乳時に母乳から感染する母乳感染、産道通過時に感染する産道感染があります。
母子感染による主な感染症は風疹やB型肝炎、トキソプラズマ等です。
まとめ
・感染経路には接触感染、接触感染、経口感染、糞口感染、飛沫感染、空気感染、母子感染等がある