東日本大震災発災当時から6年が経とうとしておりますが、今も被災地では震災によって発生した災害廃棄物の処理も目途を迎えつつあります。
震災によって発生した瓦礫以外にも、避難所で発生したゴミの処分は大きな悩みとなりました。
今回は、災害時に発生したゴミの処分方法と避難所などで出来る処理を楽にする為の対策を調べてみました。
災害廃棄物の処分方法
リサイクル活用が進む
災害時に発生する廃棄物の種類には大きく分けて2種類存在します。
ひとつは地震の揺れや津波によって倒壊した家屋などの瓦礫です。
家の中に侵入した泥水などの処分もこちらに該当します。
もうひとつは、避難所での生活で出た生活ゴミの類で、し尿なども含まれます。
まず、瓦礫などの大きな災害廃棄物に関してですが、これは国や自治体などの協力を受けながら撤去を進めていく事になります。
その際には持ち主の確認が必要になるので、必ず「り災証明書」の発行を行い被害状況が自治体側で把握できるようにしましょう。
個人で瓦礫を除去するのは、費用面でも労力としても現実的ではありません。
瓦礫除去に関して内閣府では積極的に市町村への財政支援を行ってきており、約2490万トンと見積もられていた瓦礫の除去は、2015年頃には9割以上終える事が出来ました。
瓦礫の処理に関してはリサイクルしての使用が大きく進んでおり、東日本大震災で発生した災害廃棄物のうち81%が再利用されています。
例えば、セメントであれば海水の塩分を除塩設備で取り除き、再び建築資材などとして利用するといった取り組みが行われています。
避難所で出た生活ゴミの処理は、避難生活自体にも直接的な影響があります。
仮設トイレで出た、し尿の処理は、自治体のバキュームカーなどで行いますが、災害時にはこれが不足する可能性があります。
それに備えて、運べる量を超えた時に、どの様にするかを避難所毎で考えておく必要があるでしょう。
生活ゴミに関しても、処分場まで運んで貰えない期間が必ず発生するので、動物に荒らされたりしない様にする工夫や衛生面での配慮が必要になってきます。
避難所で出来る処分
生ごみは埋める事も考える。
避難所に於ける生活ゴミの処理は避難生活に於いてネックとなる問題です。
そこで、私の経験から提案出来るいくつかの対策方法をご紹介致します。
トイレに関しては、裏山などに仮設トイレを作る事も考える
簡易トイレなどを用いると、し尿が固まったゴミが溜まっていき、最終的には置き場所に困るといった問題が起こる可能性があります。
その様な時に役立つのが、ブルーシートなどで覆いを設けて、地面に直接穴を掘る事で作れる仮設トイレです。
ある程度使ったら、直接埋め戻して標識を立てておき、隣のスペースなどをまた掘って作るようにすると良いでしょう。
都市部では下水へ繋がったマンホールを利用したマンホールトイレという取り組みもあるので、そこを仮設トイレに利用するのも有効です。
生ごみは倉庫などを利用する
生ごみは避難生活を送っている合間に必ず発生するゴミのひとつです。
放置すれば臭いや衛生面の問題がありますし、屋外に放置すれば動物に荒らされるといった問題も起こります。
そこで、避難所を開設するさいに毛布などの備蓄品を閉まっていた倉庫などのスペースを利用すると良いでしょう。
追加で受け取った物資の置き場として使いたいと考えるかも知れませんが、物資は常に誰でも見られる場所に置いた方が、盗難の心配がなくなりますし、あとどれくらい備蓄があるのかを避難所のメンバーで情報共有する事にも繋がります。
倉庫がいっぱいになってしまったら、ブルーシートなどを利用して屋外に置いても生ごみが動物に荒らされないよう注意しましょう。
他にも避難所で出来るゴミの対策方法はありますが、場所によっては同じ事が出来ない場合もあります。
避難先で各々がアイデアを出し合い、助け合って災害を乗り越えていきましょう。
まとめ
・災害で発生するゴミには瓦礫などの災害廃棄物と避難所の生活ゴミに分けられる。
・瓦礫の処分に関しては自治体などの支援を受けるようにする。
・避難所の生活ゴミは、他の避難者と意見を出し合いながら処分するようにする。