災害に巻き込まれた方は難を逃れた後でも避難所で長い時間を過ごされる事になると思います。
東日本大震災、熊本地震でも辛い経験をされている方がいらっしゃるでしょう。
今回は辛い避難所生活で、子どもたちが元気に災害を乗り切れるようにする方法を考えてみました。
子どもへの負担
ストレスとの戦い
災害全般に於ける避難生活で、子どもにも大人にも大きなストレスとなる要因がいくつかあります。
例えば、普段とは異なり家族以外の他人と協同生活をしなければならないという環境では、プライバシーの欠如から誰もがストレスを感じてしまう環境と言えます。
更に、家族や知人の方が亡くなられていると、「生き残った」事によるストレスが発生する場合もあります。
特に子どもはストレスに敏感で、適切な対応をしていく必要があります。
また、子ども特有の避難環境から起こるストレスとしては、仕事が与えられず蚊帳の外に置かれているように感じてしまう事や、友人たちと遊ぶ場所が得られずストレスを内に貯め込んでしまうパターンがあります。
ストレスとの戦い方
子どもも避難所の一員
災害といった大きな出来事が起こった後、すぐにカウンセリングなどの精神医学的な処置を受けるのは非常に難しい事です。
それでも、ストレス対策を行わなければ子どもたちの負担は大きくなってしまう一方です。
そこで、大人が子どもに対して直ぐに行える事として、子どもに避難所での役割を与えてあげる事をオススメします。
大人でも言える事ですが、物事を解決しようと集中して努力している間は一時的に悩み等から離れられる効果があります。
悲しい出来事を思い出し考える余裕をなくす事によって、避難生活の合間に受けるストレスを軽減するのです。
そして役割をこなす事で、「自分も頑張っている」という気持ちを生み、肩身の狭い思いから解放する事にも繋がります。逆にただ脇で見ているだけという状況では「足手まといなのか」と考えさせて、余計なストレスを抱え込ませる事に繋がりかねません。
勿論、この方法でストレスを無くせる訳ではありません。
避難所の人々とルールを取り決め、子どもが遊べる場所と時間を定めるのも大切な事です。
ストレスを発散させる環境は必ず設けられるようにしましょう。
その中で、災害を再現するような遊びをしている光景を見かけて、不謹慎に思ってしまう事もあるかも知れません。
子どもはその様な遊びを通して、災害での経験をうまく飲み込もうとしている場合があるので、無理に止めず見守るようにしてあげましょう。
避難生活が長引けば、子どもたちが行う作業にも、親が行う作業にも余裕が出て来るようになります。
その時、大切なのは子どもに対して思っていることを聞いていく事です。
子どもは、性格にもよりますが辛い思いを我慢して隠してしまう場合があります。
しかし、それに気が付かずに放置していると「親は自分の事を考えてくれない」といった認識を持たせてしまう場合がありますし、常に我慢する事でストレスを溜めていってしまいます。
「子どもの話を聞けてないな」と感じたら、時間を作って今日は何をしたか、発災から思っている事はないか聞いてあげるようにしてください。出来れば、子どもから話したい事を聞いてあげられる様にできれば非常によいです。
PTSD(心的外傷後ストレス障害)といった症状は避難生活が終わったあとに発症する可能性もあります。
深刻な症状に繋がる可能性もありますが、周囲の大人が心のケアを心掛ける事で災害を乗り越えて成長していけるように見守っていきましょう。
まとめ
・子供は大人と違い、ストレスの解消法を身に付けていない
・子供も避難所の一員である
・子供にストレスを与えない工夫が必要
参考サイト
◆ 「熊本地震 子どもの心のケアは」(時論公論) NHK解説委員室 NHK ONLINE
◆子どもの心のケア:災害で傷ついた子どものへの対応 心理学総合案内こころの散歩道 碓井真史:新潟青陵大学 大学院 臨床心理学研究科 教授