東日本大震災の発災に伴い、東北などの被災地が復興出来るように国が支援を行う復興期間は2020年で終わりを迎えようとしています。
その間に投資される復興予算の使い方に関して、政府も民間も被災地の為になる使い方を模索してきました。
現在までに費やされた額が25兆円まで膨れ上がった復興予算ですが、どの様に使われているかを見つつ、復興支援に何が繋がるのか読み取ってみます。
復興予算の使途
大半は住宅などの復興へ
毎日新聞によるとこれまでの5年間で最も予算が費やされたのは「住宅再建・まちづくり」に関する項目で、全体の34%(9.9兆円)に当たるとの事です。
それに加えて自治体が復興に用いる整備費の負担を軽減する震災復興特別交付税交付金が4.2兆円あり、大半は建築物の再建などに用いられた事が考えられます。
一方で全国防災対策費という被災地外の防災対策を進める為の予算が存在し、復興予算の内訳の中で行う事は、2012年10月29日の時点で野田総理大臣の所信表明演説でも触れられるように、被災地優先の予算運用に合致しないと受け取れる部分もあります。
これには自衛隊の被災した装備品に宛がわれた予算など直接関連性のあるものがある一方で、調査捕鯨関連予算や沖縄の国道整備予算といった復興とは別に予算を組むべき内容があり、2481億円が返還される事態になりました。
更に、すでに計上されている予算も全て運用出来ている訳では無く、費用を費やしたくても復興現場が人手不足で進まないといった問題が残っている事を考えさせられます。
これからの復興に向けて
被災地に人が入る施策を
国が予定している復興計画では、2015年までは集中復興期間として特に予算が必要な時期としてきましたが、2016年からは復興・創成期間として支援の規模を縮小する流れになっています。
これを含めると32兆円の予算が復興に費やされる事になりますが、自治体が負担する必要がある部分も増えてきます。
今後は、被災地に人が戻る為に何を行っていくべきかを考える必要があります。
原発事故関連の予算も引き続き用意されていますが、地元産業を直接支援する仕組みも必要になるでしょう。
人が戻る為に必要な要素としては、安心して暮らせる治安環境とそれに後押しされ人々に仕事を提供出来る企業の存在が欠かせません。
企業誘致のために出来る助成金などの施策も有効だと考えられます。
今後も、東京オリンピックへ向けて被災地に元気が取り戻るように、私たちも頑張って参ります。
まとめ
・復興予算を集中的に用いる集中復興期間が終わった。
・予算の運用方法に関する問題もあり、課題となっている
・被災地の復興を最優先とした予算運用が必要
参考サイト
◆東日本大震災6年 復興予算、どう使われた? 毎日新聞
◆復興関係予算 平成24年11月 財務省主計局
◆予算・決算 復興庁