住宅を購入した際や賃貸で借り上げたとき、私たちの多くは、住宅火災保険に入ります。これに入っていたからといって人的被害は避けることはできませんが、火災で失われることも多い家財道具や、ボロボロになってしまう家の内外装を、買いなおしたり修理したりするお金が入ってきます。
非常に大切な住宅火災保険ですが、これには実は「落とし穴」があることをご存知でしょうか。
住宅火災保険では、地震災害時の火災は保障されない
日本は世界でも有数の地震大国だと言われています。2011年の3月に起こった東日本大震災は、今でも多くの人の心に、経済の面でも暗い影を落としています。
このため、「地震のときに起きる火事も心配だから、住宅火災保険は手厚いものを選んだ」という人も多いのではないでしょうか。
しかし注意してほしいことがあります。
一般的な住宅火災保険の場合、地震災害によって起きた火事については、保証対象外だとされているのです。これは「地震そのものが原因で起きた火災」だけでなく、津波や噴火などについても同様です。これらは住宅火災保険の範疇ではないため、「噴火によって家が燃えて、無くなってしまった」「地震が起きた時、潰れた車のバッテリーから火が出て、家が全焼した 」という場合であっても、保障はなされないのです。
損保ジャパンの「個人用火災総合保険『ほ~むジャパン』な どのように火災保険によっては、「地震が原因であっても、家が半焼以上、もしくは家財品がすべて燃えてしまった、という場合は、5パーセントは保障する」と しているところもありますが、微々たるものでしょう。
「地震」が原因で起きた火災、保証されないのはなぜ
では、そもそもどうして、「地震が原因で起きた火災」は保障がなされないのでしょうか。
これには、上であげたような、日本独自の土地のあり方が影響しています。
日本は地震大国であり、どこでも地震が起きます。そのため、そこで起きた火災のすべてを、火災保険によって保障しようとするのであれば、保険会社が軒並みつぶれてしまうと考えられるからです。
日本の風土上、住宅火災保険の掛け金だけでは、地震のときに起こった火災に対する補償することができないため、このようなシステムになっているのです。
「地震による火災」を保障してもらうためにはどうすればいいのか
では、地震災害による火災を保障してもらうためにはどうすればよいのでしょうか。
このときに役立つのは、「地震保険」です。地震保険に入れば、地震のときに起きる火災も補償対象となります。ちなみにこちらは、基本的には住宅火災保険とセットで加入することになるでしょう。保障内容は違いがありますが、保険金額の5パーセント~100パーセントです。(破損具合によって異なる)
日本に住み、生きていくうえで、地震災害のリスクは避けて通れません。そしてその地震によって起こりうる火災のリスクも、常に意識しておくべきです。特に、自分で購入した一軒家やマンションの場合、金銭的損害は非常に大きくなります。
保険はまさに、「転ばぬ先の杖」。しっかりとした杖を使い、地震に備えることが重要です。
まとめ
・地震災害による火災の場合は、住宅火災保険では保障されない
・これは、日本が地震大国であり、地震による火災までをも保障していたら保障しきれないからである
・地震による火災は、地震保険に入っておけば、破損具合によって保険金が支払われる
・その金額は、保険金の5パーセント~100パーセントである
3.11東日本大震災 特集一覧はコチラ
参考サイト
◆損保ジャパン日本興亜「地震保険補償内容」
◆三井住友海上「地震保険補償内容」
◆損保ジャパン「地震保険」
◆「なぜ地震で家が燃えても火災保険はもらえないのか?」
◆Q&A(地震保険編) 一般社団法人 日本損害保険代理業協会
◆損保ジャパン日本興亜「個人用火災総合保険『ほ~むジャパン』」