大きな災害時には停電が起こり、電気やガスが使えなくなることがありますよね?
そんな時に大活躍するのがカセットコンロです。
電気もガスも使えない状態でも、簡単に火をつけることができるので調理することや水を沸かすこと、されに暖をとることもできます。
今や災害時の必需品とも言えるカセットコンロについて詳しく調べてみました。
コンロとボンベのメーカーが違ってもほぼ使えます
きっかけは阪神・淡路大震災
カセットコンロにはガスボンベを装着して使うのはご存知の通りですが、コンロとボンベのメーカーが違っていても使うことができることをご存知でしたか?
実は阪神・淡路大震災がきっかけでコンロとボンベの規格は統一されました。
阪神・淡路大震災の際に多くの被災者がカセットコンロを調理などに利用していたのですが、当時のカセットコンロ・ガスボンベの規格はメーカー毎に異なっていたため、メーカーによっては互換性がない状態でした。
そのためカセットボンベの貸し借りができなかったり、メーカーによってはボンベが不足したり……といった事態があったのです。
これを教訓に1998年(平成10年)規格の改正が行われ、ボンベの形状が一種類に限定されるようになりました。
これでメーカーを選ばずにコンロとボンベをつなぐことができるようになったというわけです。
ただし、メーカーや機種によっては同メーカーの専用ボンベを使うことを推奨していますので、十分に取扱説明書をお読みください。
もしも今お持ちのカセットコンロが1998年よりも前に作られたものの場合は、買い替えを検討してみてはいかがでしょうか?
カセットコンロの値段や性能は?
カセットコンロの価格は1,000円台後半からと手ごろで、ガスボンベ(3本セットで500円以下ほど)とあわせても2,000~3,000円もあればセットで購入することができます。
持ち運びしやすい薄型・軽量のものや屋外で使用するための風に強いタイプ、網焼き・串焼き専用のものなど機能や形も種々様々。
デザインにこだわったおしゃれなものも数多く販売されています。
さらに最近では家庭用のガスコンロよりも火力が出せるとうたっている商品もあります。
頼もしいですね。
コンロ・ボンベ使用上の注意点
去年(2015年)3月までの5年間に家庭用のコンロで起きた火災や事故は900件以上もあり、18人の方が亡くなり165人が怪我をしています。(NITE・独立行政法人製品評価技術基盤機構調べ)
こうした火災や事故の原因を分析したところ、全体の半分以上が「不注意や誤った使い方」によって起きていました。
例えば「大きな鉄板で一気に料理するためにカセットコンロを3台並べて置いて使った」というケースでは、真ん中のカセットコンロが鉄板からの放射熱で爆発しました。
他にも
・換気扇の下に置くために、自宅でガスコンロの上に置いて使っていたところ、魚グリルの熱でガスボンベが爆発
・ガスボンベが正しく装着されておらず、漏れたガスに引火
・五徳(ごとく:鍋や鉄板を乗せる金具)を収納したまま使用したため、カセットこんろとフライパンがくっついた状態で加熱されてしまい、カセットボンベが破裂
・古いカセットコンロが経年劣化のためガス漏れを起こし引火
などのケースが報告されています。
災害時にはとても便利なカセットコンロですが、間違った使用法では命の危険がある事故を引き起こすこともあります。
取り扱う際には十分な注意が必要ですね。
まとめ
・カセットコンロは普段だけでなく、災害時に役立つ
・現在は、カセットボンベの規格は統一されている
・誤った使用法による事故が起きているので、使用説明書をよく読むこと