「東日本大震災(3.11)」から6年が経過します。あらためて、その教訓と防災意識の大切さについて考えてみます。
教訓その1災害への認識
世界有数の災害多発地域である日本列島で生活していることを再認識する。
防災の視点で見た日本列島の特徴を整理してみます。
日本列島は、地震・津波・噴火の起きやすい場所にあること
日本列島付近は、4つのプレート(岩板)がぶつかり合う複雑な動きをする場所にある上、「環太平洋火山帯」が走り抜けています。
「太平洋プレート」が日本の北半分が乗っている「北米プレート」と伊豆・小笠原諸島が乗る「フィリピン海プレート」へ、「フィリピン海プレート」が日本の南半分が乗っている「ユーラシアプレート」へ、それぞれゆっくり沈み込み続けている。
さらに、「北米プレート」と「ユーラシアプレート」がぶつかっている、新潟県糸魚川市から静岡県の安部川にかけての「糸魚川静岡構造線」と呼ばれている大きな断層線もある。
沈み込んでいる反対側のプレートは、長年の間にひずみがたまり(たわみ)限界を超えると一気に元に戻ろうとするため大地震が起き、同時に津波も発生しやすい。
火山活動もプレートの動き(移動)によって起こるといわれている。
日本列島は、海岸線が長く津波被害を受けやすい地形であること
日本列島は、南北に細長く、海岸線が複雑に入り組み、沢山の島から成り立っているので、その海岸線は非常に長くなっている。海岸線の総延長は、2万9751Km(世界第6位)。
(※参考図書『日本の領土これが答えだ』小川和久著(アスコム)から引用)
このため、津波が発生すると多くの海岸(特に太平洋側)で被害を受けやすい。
日本列島は、気象の変化が大きいこと
日本列島は、「モンスーン帯」に位置している上、南北に細長く中央に脊梁山脈が走っているため、台風、集中豪雨、豪雪、干ばつなど季節の変化に伴う気象変化も大きく、多様な災害が発生しやすい。
ある識者は著書で次のように言っています。
「世界の防災関係者は、日本を『災害のショーウインドー』と呼んでいる。確かに日本列島には、すべての災害が揃っている。(中略)間違いなく、日本は世界ナンバー1の災害大国である。」(※参考図書、『日本史の謎は「地形」で解ける』竹村公太郎著(PHP文庫)から引用)
日本がいかに災害の多い国かがよく分かる言葉だと思います。
また、いくつかの災害が同時に起こる「複合災害」の事例も多いことを含め、あらためてこのことを再認識しておきたいものです。
次回は、大きな教訓の1つである「避難」について考えてみます。
まとめ
・日本列島は、プレートがぶつかり合う場所にあり、地震・津波・火山噴火が起きやすい
・日本列島は、周囲を海に囲まれ海岸線が複雑に入り組み、津波被害を受けやすい
・日本列島は、位置と地形の特徴から気象変化も大きく多様な災害が発生しやすい。
参考文献
◆『次に来る自然災害』鎌田浩毅著(PHP新書)
◆『未曾有と想定外』畑村洋太郎著(講談社現代新書)
◆『日本の領土これが答えだ』小川和久著(アスコム)
◆『日本史の謎は「地形」で解ける』竹村公太郎著(PHP文庫)