防仁学ではこれまでも「津波」について様々な角度から解説してきました。今回は津波が発生するメカニズムと、津波が伝播する仕組み、津波注意報や津波警報が発表される基準などをお伝えします。
津波が発生するメカニズム
津波が発生する原因として主なものは、海底のごく浅いところで起こる地震だと言われています。
地震によって海底が上下に揺れ動く力は周囲の海水に伝わり、やがて激しいうねりを生じさせます。
そのうねりによって大きな波が引き起こされるのが、津波が発生するメカニズムです。
たとえばサーフィンの映像で見るような海水の表面が波立っている状態は、それがどれだけ高くても通常は津波とは呼びません。
津波は海底から海面まで海水が立体感を伴って移動します。
そして、このような大きな海水の動きがあることからか、津波の前兆として潮が引くと言われることがあります。
これについて気象庁は、常にそうなるわけではなく、津波の原因となる地震が海底のどこで発生したかや、発生場所と海岸との位置関係、海岸の地形などによっては、引き波がなく津波が押し寄せることもあるとしています。
簡単な実験
お風呂に入ったとき、両方の手のひらをお湯の中に20~30cm沈めます。
片方の手のひらを下に、もう一方を上にして何度か拍手をしてみてください。
拍手に合わせてお湯の表面が盛り上がったり、お湯の中を波が移動するのが感じられるはずです。
下にした手のひらが海底の硬い岩盤、上が地震によって動く浅いところにある岩盤を模したかたちになります。
お風呂の縁(内壁)を陸地に見たてれば、津波の発生から海外に到達するまでのメカニズムがおおよそお分かりいただけるのではないでしょうか。
津波の伝播
気象庁によると、2007年に南米のペルー沖で発生した地震による津波は、20時間以上の時間をかけ太平洋を横断して日本へ到達したそうです。気象庁のホームページでは津波がどのように変化したかを見ることができるようになっており、ハワイの沿岸などで反射や拡散を繰り返していることが分かります。
津波注意報や津波警報が発表されたら
津波注意報を発表する基準について、気象庁では「津波の高さが20cmを超えると予測される場合」としています。
これは海など水かさのあるところでは20~30cmほど深さがあれば体が浮いてしまうことがあり、そこに津波の進行方向への激しい動きが加わると、普通に立っていられないことが危惧されるからです。
津波注意報が発表されたら速やかに海から上がって、波より高い場所にいるようにしましょう。
津波警報は「津波の高さがおおよそ1mを超えると予測される場合」、大津波警報は「津波の高さがおおよそ3mを超えると予測される場合」に発表されます。
1mの津波の中では歩くこともできないほどになりますので、津波警報や大津波警報が発表されたときは、すぐに高い場所に移動して安全を確保してください。
また気象庁では津波注意報や津波警報が間に合わない場合を考えて、海岸の近くで地震などの揺れを感じたら津波に注意してほしいと呼びかけています。
まとめ
・主に海底の浅いところで起こる地震によって岩盤が上下に揺れ動き、それが海水に伝わり大きな波を引き起こすことが、津波が発生するメカニズムである
・津波は太平洋を横断するほど強い力を持ち、また長時間続く場合がある
・津波の高さによって津波注意報や津波警報が発表される
・津波は20~30cmくらいでも危険なので、速やかに避難したほうが良い
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