東日本大震災といえば、津波による大きな被害が特徴だったと言えるでしょう。
内閣府が作成している平成23年度防災白書によると、岩手県・宮城県・福島県に於ける死者の92.4%が溺死であったとされており、津波の影響が如何に大きかったかを感じさせられます。
今回は、どうして大きな津波が地震によって発生したのか、その流れを調べました。
津波発生のメカニズム
地震の衝撃が海に伝播
津波とは地震によって発生した0.2m以上の海面の隆起の事を言います。
0.2m未満の場合、気象庁では特段の被害が起こる心配はない旨を津波予報で発表しますが、それ以上の場合は大きさ別に津波注意報・津波警報・大津波警報が発表されます。
特に、大津波警報は3m以上の津波が予想され、10mを超える津波が観測される可能性もあります。
津波は地震の衝撃が海底を伝わって、海底から押し上げられる様にして海面まで隆起する事により発生します。
その為、風などの影響で大きな波が起こる場合は波浪や高潮と呼ばれ、津波とは区別されています。
津波の特徴としては、深い沖合の海面では波の高さが低く、代わりに時速800kmという旅客機と同等のスピードで陸地へ迫っていきます。(深さ5000m程度の場所の数値)
浅くなるにつれてスピードは遅くなっていきますが、代わりに波の高さが大きくなっていきます。
沖合で時速800kmの津波が、深さ10mの地点まで来ると時速36kmほどにまで落ちる代わりに、数mの高さの津波へとなってしまいます。
この原因は、海底から水面までの水が地震の衝撃によって隆起する為、大量の海水が逃げ場を求めて押し動かされるからです。
少し状況は違いますが、水を満たした容器に手を入れると溢れ出す水が津波と呼ぶ事も出来ます。
加えて、津波の場合は陸へ駆け上った海水が海へと戻る引き潮の時にも注意が必要になります。
津波から逃れる為には
兆候を感じたら高台へ
津波から逃れる為には、出来るだけ早く避難して、完全に収まるまで待つ忍耐が求められます。
地震が発生してから津波が到達するまで、震源地の距離にもよりますが数十分程度で到達する事が考えられます。
その為、揺れが収まったら迅速に高台へと移動を開始しましょう。
一方で、第一波の津波が来てからも第二第三の津波が時間を空けて襲来する可能性がある為、一つの津波をやり過ごしたからと安心する事も出来ません。
高台などに避難したら気象庁などが安全になった事を宣言するまで、高台の避難所から津波に巻き込まれた地域へ下りないようにしてください。
万が一、周囲に高台がない場所で巻き込まれた場合は、近くの高いビルなどへ逃げ込むようにしましょう。
ただ、ビルなどに避難した場合は、津波によって流されてきた火災を起こしている瓦礫に囲まれる危険性もあるので、何処かのタイミングで脱出する勇気も必要になってきます。
津波から逃れる事は、迅速な判断と収まるまで待つ忍耐という正反対の要素が求められ、大変難しい問題です。
しかし、いざという時に備えて、避難先は必ず確認しておきましょう。
まとめ
・津波は地震の衝撃によって引き起こされる
・第一波が来る前に避難する判断力が求められる。
参考サイト
◆平成23年版 防災白書 内閣府
◆津波発生と伝播のしくみ 国土交通省 気象庁
◆津波警報・注意報、津波情報、津波予報について 国土交通省 気象庁