新年度は就職や転勤で環境が変わる時期です。「もう少し頑張ったら連休だ!」を合言葉にしながら、新しい環境に慣れる努力をしている方も多いのではないでしょうか。
環境の変化は心身に大きな影響をもたらします。それを反映するかのように、ゴールデンウィークが明ける頃から、鬱々とした気分になる人や無気力感に襲われる人が増加します。こうした症状は「5月病」と呼ばれ、幅広い年代に見られます。今回は5月病についてお伝えするので、日々を生き生きと過ごすためにも、5月病の予防法について理解を深めましょう。
5月病とは?
5月病とは大型連休明け頃から現れ始める精神的・肉体的症状の俗称で、しばしば「うつ病」「適応障害」と診断されることがあります。無気力感、気分が沈む(抑うつ)、不安感、集中力の低下といった精神的症状から、倦怠感、食欲不振、頭痛、動悸、腹痛、吐き気などの身体的な症状まで伴うことがあります。「布団から出たくない」「会社に行きたくない」「人に会いたくない」といった症状が続く時も、5月病が疑われます。
5月病の原因は環境の変化からくる心身の疲労が関係していると考えられています。春は進学・就職・転勤など環境の変化が訪れやすい時期です。人は無意識のうちに新しい環境に慣れる努力をしたり、環境の変化に適応するための努力をしたりしています。こうした疲労やストレスが積み重なっている中、連休を挟むことによって緊張の糸が切れてしまうことにより、5月病の症状に陥ると考えられています。
5月病は進学・就職・転勤といった比較的大きな環境の変化があった時にだけ気をつければよいというわけではありません。「子どもの入学によって人間関係が変わった」「職場でリーダー的立場になった」といった変化がストレスとなり、5月病に陥ることがあります。5月病は誰もが成り得る症状であることを理解し、早めから予防するようにしましょう。
5月病を予防するにはどうしたらいいの?
5月病は放っておくと、うつ病を引き起こす可能性があります。心身ともに健康に過ごすためには、5月病を予防する対策を取る必要があります。
5月病は環境の変化からくる疲労やストレスが原因となって発症すると考えられています。つまり、5月病の予防のためにはこの疲労やストレスを解消・軽減する必要があるということです。
まず環境に馴染めない不安を一人で抱え込まないでください。一人でどうにかしようとするとプレッシャーが高まり、5月病に陥りやすくなります。不安や困ったことがある時は、家族や友人など気軽に話ができる人に聞いてもらうようにしましょう。
また環境に適応しようと、必要以上に頑張りすぎないことも大切です。いきなり慣れようとするのではなく、「○月くらいまでに××できるようになろう」など長期的視野を持って行動すると、プレッシャーや不安を軽減させることができます。
ストレス解消のため休みの日に好きなことをするのはいいことですが、5月病を予防するためには連休の過ごし方にも注意してみましょう。連休をきっかけに生活リズムが崩れてしまうと、連休明けに「会社に行きたくない」という気持ちが増幅してしまいます。連休はハメを外しすぎたり夜更かしをしすぎたりしないで、上手にリフレッシュすることを心がけましょう。
まとめ
・5月病は連休明け頃から現れる精神的・肉体的症状のことである
・主たる症状は無気力、抑うつ、不安感などであり、頭痛や腹痛といった身体的症状を伴うことがある
・5月病は環境の変化による疲労やストレスが原因で起こると考えられている
・予防するためには、こうした疲労やストレスを上手に解消・軽減させることが大事