9月9日は救急の日で、6日から12日は救急医療週間でした。
1982年から国民の救急医療と救急業務への理解を深めてより高度な救急業務を実現する為に設けられました。
救急の日や救急医療週間には「消防庁」が中心となって全国で救急医療に関するイベントが催されます。
こういったイベントでは応急処置の方法を教えてくれますが、誰でも習っておいて損はないですよね?
たとえば、街を歩いていると見かける赤やオレンジ色のボックスに入った心臓のマークが描かれている機械を見た事がありませんか?
あれは「Automated External Defibrillator」……通称AEDという機械です。
そのまま日本語に訳すと「自動体外除細動器」といいます。
使う機会は無いにこしたことはありませんが、いざという時に使えないようでは宝の持ち腐れですよね?
今回は公共施設や集合住宅などでよく見かけるようになったAED、その目的と取り扱い方を説明しましょう。
AEDの役割
心肺蘇生を助ける
AEDはただ倒れている人に貼り付けて起動させるだけでは役に立たないという事はご存じでしょうか?
倒れている人の心拍を機械が読み取って、必要な場合は電気ショックを与えるという事を機械が自動で判断してくれるのがAEDの役割です。
その為、心肺蘇生法を行いながら使う事が前提となります。
もしも心臓マッサージを続けても脈拍が復活しない場合、電気の刺激で心臓が再び動きだすのを助けるのが除細動器の役割ですが、AEDの場合はその手順を音声で指示を出してくれるのが特徴です。
ただし、電気ショックまで自動にしてしまうと回りの人が充分に離れる前に電気が流れて危険ですので、電気ショックを出すボタンは「手動」です。
また心肺蘇生が続けられたか、適切な処置はされたかを記録する為に、心電図と音声が記録される様に設計されています。
AEDの使い方
音声の指示に従って行動しよう
AEDの蓋を開けると、ほとんどの場合は自動的に電源が点きます。
音声で「付属品のパッド」を倒れている人に貼り付ける様に指示されます。
パッドには貼る位置が図で描かれている事が多いので、参考にしながら貼りましょう。
この時注意しなければいけないのは、パッドを貼る身体の位置です。
通常は胸と体側部なのですが、心臓を電気ショックが通る様に貼る必要があります。
位置がおかしいと心拍も取れず心電図が記録出来ない為、AEDが音声で注意を促してくれます。
また、胸毛などでうまく貼れない時や身体が水で濡れているとエラーで止まってしまったり電気ショックを行った際に充分な刺激を与えられなかったりする場合があります。
パッドを貼る前に胸毛をパッドの粘着面で剥してみたり、水をしっかり拭きとったりする様にしましょう。
回りに人が居る時は、心肺蘇生法を周囲の人と交代する事やAEDの操作を頼む事によって心臓マッサージと人工呼吸が中断されない様に気を付ける必要があります。
救急車を迅速に呼ぶことも重要です。
少しでも助かる確率が上がる様に、役割を分担して蘇生を根気よく続ける様にしましょう。
2セットほど心肺蘇生法を程度繰り返すとAEDが電気ショックの必要性を判断する為に心拍数を記録するので「作業を中断して離れてください」とアナウンスが流れます。
一度離れて誰も触れない様にしましょう。
もし電気ショックが必要というアナウンスが流れたら「私よし、あなたよし、回りよし」と心肺蘇生法を一緒にしていた人や周囲の人、そして自分自身が患者から離れている事を確認してから電気ショックのボタンを押してください。
あとは、倒れた人が息を吹き返すか、救急隊が到着するまで繰り返し続けましょう。
根気よく続ける事が応急処置に於ける大切なポイントです。
次回は「心肺蘇生法」に関して詳しく説明します。
まとめ
- AEDは心肺蘇生を手助けする装置
- 正しくパッドを装着する様にする
- AEDの音声アナウンスに従う
- 息を吹き返すか救急隊の到着までは根気よく心肺蘇生法を続ける