都会で暮らしていると隣人の顔を知らないとか挨拶をしないといった風潮があります。
2005年には見知らぬ男性に挨拶をした子どもが暴行を受けるという事件もありましたが、不審者対策の一環として見知らぬ人には挨拶をしないという事を小学校などで指導するケースが増えている様です。
今回は、子どもを犯罪から守る為の地域の防犯として、挨拶をするべきかしないべきかを考えていきます。
挨拶のメリット
近隣の人々を知る
挨拶を行う事は、子どもにとっては「見知らぬ人」を「知っている人」へと変えていく切っ掛けになります。
近所の人々が挨拶をしたり・されたりすることで、子ども達が何処で何をしているかを見守り、危険が迫った時は地域住民が協力して守る事も出来ます。
危険を及ぼす不審者は挨拶を切っ掛けとして子どもに接近を図りますが、普段から挨拶をする事で、そのあとに続く言葉が「安全なのかどうか」や「知っている人なのか」を判断する力を身に着ける事も出来るのです。
地域の人々も怪しい人を見かけた時に、住民側から声を掛ける事で犯罪を未然に防止する事も出来るので、子どもだけでなく大人達も互いに挨拶を行う事が大切です。
「地域が一丸となって子どもを守る事が出来る社会」なら挨拶は防犯を行う素晴らしい手段の一つとなります。
挨拶のデメリット
不要な危険を避ける
残念な事に現在の社会環境では必ずしも挨拶をする事が良いとは言えない側面があります。
例えば、見ず知らずの人に挨拶をした事で一方的に因縁を付けられ暴行されたという事件や、親切心から一緒に行ったら誘拐されそうになったという事件もありました。
2014年には声を掛けられた少女が殺害されるという悲しい事件もありました。
若い女性には、むやみに愛想よくして変な男性に付きまとわれる事を危惧する方もいるでしょう。
「見知らぬ人に話し掛けられたら逃げなさい」という指導方法は、確かに犯罪に巻き込まれる可能性を少なくする事が出来るかと思います。
一方で「犯罪を起こしそうな不審者と近所の人々が見分けられない」という、子どもの社会を狭めるデメリットもあります。
万が一犯罪に巻き込まれた場合は、子どもが自力で逃げて脱出する以外の手段がなくなり、地域の見守り効果が薄れる恐れもあります。
地域の取組み
安全な社会をつくる
全く見知らぬ人に挨拶をするべきではありませんが、近所の人々と知り合い互いに挨拶出来る様に関係を構築していく機会を設ける事が今後重要になって来るでしょう。
例えば、地域のお祭りやバザーといった互いに知り合う機会が数カ月に1度でもあれば「あの人は裏のおじさんだから大丈夫」といった判断が出来る様になってきます。
そこから挨拶をしていく習慣を身に着けていけば「誰に挨拶をするべきか」「見知らぬ人だから挨拶をされても会釈程度に留めよう」といった判断が出来る様になり、犯罪から子どもを遠のかせる地域防犯の取り組みへとなっていくのです。
子どもに他人との付き合い方を学ばせる教育の場にもなるでしょう。
子供たちが不要な心配なく挨拶のできる街作りは、地域住民の責任かもしれませんね。
昔の人は「袖振り合うも他生の縁」という言葉を残しましたが、近所の人たちとは挨拶を気持ちよくする関係でありたいですね。
まとめ
・挨拶を行う事で地域の人々との繋がりを深くする事が出来る
・全くの他人にむやみに声掛けするのは犯罪に巻き込まれるリスクがある
・挨拶する人と避ける人を見分けられる様に地域社会で取り組む必要がある