「食中毒は、夏場に起こるもの」
「食中毒は、春の終わりである梅雨の時期に起こるもの」
「食中毒は、カキのシーズンである冬に起こるもの」
このようなイメージを持っていると、「秋にも食中毒は頻発する」ということがなかなかイメージしにくいかもしれません。
しかし実は、秋も非常に多く起きているのです。
秋に起きる食中毒
「秋でも食中毒がよく起きている」ということは統計データからみても明らかです。
平成28年のデータを参考にすると、10月は1年のなかで5番目に発生率が高かった時期です。しかも、4位の4月、3位の6月との差も僅差といえるもので、ほとんどかわりがありません。
11月や9月もよく起こっており、秋も決して油断できるものではないという事が分かります。
秋の食中毒は、「原因」が多岐に及ぶのも特徴です。
たとえば12月~3月の冬場の時期はウイルスが原因となっているものが多く、6~9月の気温が高い時期は細菌によるものが主流です。10月も細菌によって引き起こされる事例が多く報告されていますが、11月になると、「細菌性」と「ウイルス性」の値がほぼ等しくなっています。また、寄生虫を原因とするものも、細菌性とウイルス性の半分近くの発生確率となっており、さまざまな原因によって体調を崩しやすくなっていることがわかります。
ちなみに、秋山探索が楽しい10月は、1年のなかでもっとも植物性自然毒によるものが多い月です。
予防方法を今一度確認を
食中毒の予防方法は、広く知れ渡っています。しかし今一度確認をしましょう。
ウイルス性にしろ細菌性にしろ、「手洗い」は極めて有用です。手を石けんでよく洗い、爪の間の汚れもしっかりと落としましょう。まな板や包丁もきちんと洗います。特に、肉類や魚類を扱った調理器具を使って、生で食べるもの(野菜など)を調理しないように気を付けてください。
食べ物は、適切に保管します。消費期限を確認し、必要に応じて冷凍や冷蔵を行います。少しでも危ないと思ったものは捨ててください。
刺身など以外の肉や魚は必ず加熱をします。75℃以上で1分以上加熱をしてください。また、体調不良が起きたのならば、すぐに病院に行くことも大切です。
また、キノコ狩りなどでとったキノコも、不用意には食べないようにしましょう。
まとめ
・秋でも食中毒は起こる
・秋は、ウイルスを原因とするもの、細菌を原因とするもの、植物を原因とするものもよく起こる
・手洗いと食品の管理をしっかりする。キノコなどは不用意に食べない!