雨の日は、転倒のリスクが高まります。雨の日の転倒事故は、年齢や性別問わず発生しています。転倒事故により打撲や創傷等、骨折等、大きな怪我につながることがあるでしょう。普段は滑りにくい場所でも、降雨時は滑りやすい危険な場所に変化するので注意が必要です。
そこで今回は、雨の日の転倒事故の実態と対策についてご紹介いたします。
雨の日の転倒リスクについて
雨の日は転倒リスクが高まります。平成25年に東京都が行った降雨時のヒヤリ・ハット調査によると、15歳以上の男女3,000名のうち約79%にあたる2,370名がヒヤリ・ハットを経験、もしくは危害を経験していました。その中で、履物が関係する男女別の調査結果に注目すると、男性1,500名のうち約41%にあたる626名が降雨時にヒヤリ・ハット経験、危害経験があると答えています。626名中523名(約83%)が雨の日に滑って転んだり、転びそうになった経験があり、75名(12%)はつまづいて転んだり、転びそうになった経験があることが判明しました。
滑って転んだり、つまづいたりした時に履いていた靴の種類で最も多いのが革・合皮の靴で、全体の約60%にあたる377名。次いで運動靴が176名で約28%でした。危害の程度を見ると、降雨時の転倒事故で47名が怪我をし、12名が医療機関を受診、うち入院した人は1名でした。
一方女性では、1,500名のうち約46%にあたる691名が雨の日にヒヤリ・ハット・危害経験があると答えています。女性も男性の調査結果のように約85%が滑って転んだり転びそうになった経験があり、約9%がつまづいて転んだ、もしくは転びそうになったと答えていました。女性が降雨時に履いていた靴の種類は革・合皮の靴が最も多く、全体の約47%で327名、次いで運動靴が111名、ブーツが110名です。転倒事故による危害の程度を見ると、75名が怪我をし、医療機関を受診したのが25名、うち2名が入院しています。
杖を使う方の転倒事故も確認されています。杖の先端にはゴムが使われていますが、接地面が小さいことにより降雨時は滑りやすくなります。摩耗すると、更に転倒する危険性が高まるので注意が必要です。
大人だけではなく、子どもの転倒事故も発生しています。いくつか事故事例を見ると、長靴を履いていた子どもが店内の濡れた床で滑って転倒したケース、排水溝の蓋で滑り転倒、後頭部を打ち3針縫ったケース。他にも転倒時に後頭部を打ち、頭蓋内血栓の疑いで入院したケースもあります。
転倒事故は、年齢性別問わず発生しています。転倒事故によって創傷、打撲、骨折等大事故につながることがあるので雨の日の行動には特に注意しましょう。
転倒事故を防ぐ為の対策とは
雨の日の転倒事故を防ぐ為には、屋内外の滑りやすい場所を知っておく必要があります。
まず屋外では、降雨時にマンホールやタイル、白線、階段等が滑りやすくなるでしょう。他にも、枯れ葉が多い道も滑りやすくなります。
屋内では、スーパーマーケットやコンビニ、建物のエントランス、階段等の床が滑りやすくなるので注意が必要です。
道路が乾いている時には滑らない場所でも、雨に濡れると転倒しやすくなる場所があります。雨の日は転倒リスクを考えて、行動しなければなりません。
まとめ
・調査によると全体の約79%が降雨時にヒヤリ・ハット経験、危害経験があると答えている
・男女ともに革・合皮の靴が滑りやすいと答えている
・降雨時の転倒事故により入院したケースがある
・杖の先は接地面が小さいので雨の日滑りやすい
・雨の日はどのような場所が滑りやすいのかを知り慎重に行動する必要がある
参考サイト
◆東京くらしWEB くらしに関わる東京都の情報サイト 雨の日の転倒事故に注意!
◆東京くらしWEB くらしに関わる東京都の情報サイト 降雨時のヒヤリ・ハット調査
◆消費者庁 Vol.404 梅雨の時期、ぬれた場所での転倒に注意!