私たちは、「家の安全性」というと、つい「地震に強い家」のことを意識してしまいがちです。
もちろんこれも非常に大切なのですが、襲ってくる天災というのはそれだけではありません。
「風雨」もまた、大切な家を脅かす姜維のうちの一つなのです。
どんな家が「雨に強い」と言えるのか
「雨に強い家」といっても、その基準はさまざまです。
たとえば純粋に風雨に強い堅固な家を指すこともありますし、湿度を保つ効果が強い家を指すこともあります。
一般的に、木造の家は湿度を調整する力が強いと言われています。そのため梅雨の季節でも快適に過ごすことができるのが大きなメリットです。対して、「堅牢な家」を作るのに役立つ鉄筋コンクリートなどは、あまり湿度の調整が上手ではありません。
湿度が高すぎると、壁紙がはがれたり、カビが生えたりする可能性が高くなるので注意が必要です。
外からの雨に強い家
もう1つ、「風雨に強い家」のことを考えてみましょう。
現在の日本の建築物はすべて雨に強い設計になっていますが、そのなかでも、切妻屋根(屋根の形が三角のもの)と片流れ(屋根が斜面になっているもの)が、雨はけが良くておすすめです。また、この2つは施工が簡単で、雨漏りがしにくいという特徴があります。ただし、片流れの場合は雨どいの強化が必要になることもあります。
平べったい陸屋根は水はけがよくないため、雨との相性を考えた時にはそれほどよくありません。ただそれでも、大きな被害が出るほどではないでしょう。
デザイナ-住宅においては、しばしば非常に凝ったデザインのものが提案されます。これは非常におしゃれなのですが、形状が複雑な屋根の場合、水はけが悪くなる傾向にあります。
現在注目を浴びているものに、「光触媒」があります。壁などに使われているものであり、これにはなんとセルフクリーニングの効果があります。太陽光を受けことで化学反応がおき、自らをきれいにクリーニングするというもので、非常に新しい技術です。外観の汚れが軽減されるこの材質は、少しずつ、「住宅」にも取り入れられ始めています。
まだまだ研究が待たれる分野ですが、非常に「未来的な」もののように思えますね。
まとめ
・木の家は調湿効果に優れている
・屋根の形状は、切妻や片流れが望ましい。施工が簡単で雨漏りがしにくい。ただし片流れは雨どいの強化が求められる
・陸屋根や、複雑な形状の屋根は少々不利
・自らをクリーニングできる「光触媒」も注目されている