みなさんは、アポ電という犯罪をご存知でしょうか。アポ電の手口は様々。形を変えて繰り返し起きています。そして2019年2月には、アポ電による殺人事件が起きてしまいました。80才の女性がアポ電を受けたのち、自宅に現れた犯人グループに金銭を強奪され、命を奪われるという卑劣な事件。アポ電は高齢者を狙ったものが多く、被害件数も増えています。警視庁でも注意喚起されているのですが、被害は後を絶ちません。金欲しさに身勝手な犯罪を犯す存在は、身近なところに潜んでいる可能性があります。
私たちは、アポ電から身を守るためにはどうすればいいのでしょうか。今回はアポ電の手口と、対策についてご説明いたします。
アポ電とはどのような犯罪なのか

アポ電は、アポイントメイト電話の略です。主な手口は、詐欺を行う前に親族や金融機関、警察、市役所、家電量販店などを名乗り、個人情報を聞き出します。個人情報の他に口座情報や財産の有無や現金の保管状況、生活状況について聞かれることもあります。中には、予め個人情報を知られていて、その情報を使って親族になりすまして自宅にある現金の額を聞き出すケースもあるようです。
そして、必要な情報を得た犯人がのちに自宅に現れて金銭を奪っていきます。現在、全国で多発しており、警察で注意喚起されています。警視庁では毎日ツイッターで、入電情報を発信していますよ。親族が近所に住んでいる場合は、注意をうながしましょう。
2019年2月には、アポ電強盗殺人が起きてしまいました。東京都江東区に住む80代の女性にアポ電をした後、犯人グループが自宅に侵入。被害女性の手足を縛り、口を粘着テープで塞ぎ窒息死させたという卑劣な事件でした。
その後も都内では、アポ電強盗詐欺が複数起きています。いずれも手口は、個人情報を聞き出すアポ電をした後に自宅に行き、警察や金融機関などの来客を装って玄関を開けさせて家の中に侵入。被害者の手足を拘束して金銭を奪っていくというものです。暴行されたケースも少なくありません。
アポ電は住人が在宅しているのにも関わらず、強行突破して金銭を奪う恐ろしい詐欺事件です。
アポ電強盗の被害に遭わないための対策とは

アポ電強盗の被害に遭わないためには、金融機関や警察などを名乗る相手から個人情報を聞かれても教えないことです。電話で口座番号や現金、家族構成、暗証番号を聞いたり、キャッシュカードを預かることは絶対にありません。
警察を装っている場合は「オレオレ詐欺の被害に注意してください」と注意喚起をしたあと、家族構成や生活状況、資産の有無などを聞くケースがあります。警察を名乗られると警戒心が薄れてしまいがちですが、警察は個人情報を聞かないことを忘れないようにしましょう。このような電話がかかってきたら、すぐに詐欺を疑います。
また、オレオレ詐欺と同じように息子や娘を名乗り、病気になった、トラブルが起きたなどで現金が必要だと言われ、今いくら用意できるか聞き出す手口も引き続き起きているので注意しましょうね。
電話をとるときは、在宅中であっても留守番電話に設定したり、知らない番号や非通知には電話に出ないことも防犯対策のひとつです。不審な電話をとってしまったら、最後まで話を聞かずに思い切って途中で切りましょう。
来客者にも十分注意します。警察を名乗る場合は、相手の名前を聞き、警察署に電話をして実在する人物なのか確認するといいですよ。何重にも警戒することが、命を守ることにつながるのです。
恐ろしいことですが、私たちの知らないところでは個人情報が売買されている実態があるようです。つまり、誰でもアポ電強盗のターゲットになる危険性があるということ。
自分自身だけではなく、離れて暮らす家族にも注意を促し、電話が鳴ったときは警戒心を持つことを心掛けたいところです。怪しい電話があったら速やかに警察に相談をしましょう。
まとめ
・アポ電とは電話で個人情報を聞きだし家に押し入り金銭を奪う犯罪
・警察や金融機関、親族などを名乗る場合が多い
・警察官を名乗ったとしても簡単に信用して個人情報を開示しない
・在宅中も留守電にしたり知らない番号からかかってきた電話はとらない
・来客者も本当に本人なのか確認する