食物アレルギーの子どもが増えていると言われています。アレルギー症状が強い場合、命にかかわるほど危険。とはいえ、食物アレルギーだと食べた時にどのような症状になるのか、アレルギー症状が出た時はどう対処すればいいのか、分からない人が多くいます。アレルギー検査をしてから初めての食材を食べさせることは少ないので、突然異変が現れた時は慌ててしまうものです。
いざという時に冷静に対処できるようにするためにも、食物アレルギーについて知ることが大切です。今回は食物アレルギーの症状、特に即時型と呼ばれるアレルギーについて詳しくご説明いたします。
食物アレルギーとは

食物アレルギーとは身体が食物を“悪いもの”だと判断し、過剰に免疫反応が起きてしまうことを言います。一体なぜこのようなことが起こるのか、はっきりとした原因は判明されていません。即時型食物アレルギーの場合は、食べた直後から2時間以内に身体に異変が表れます。食べなくても皮膚に接触したり、吸入によってアレルギーが起こることもあります。
食物アレルギーは0歳児が最も多く、続いて1歳、2歳というように低年齢の子どもに起こりやすいです。成長するにつれて即時型食物アレルギー症状は起こりにくくなってきます。
また、乳幼児に起きた食物アレルギーは、3歳くらいまでに約5割、小学校にあがるまでには約8~9割解消されるとも言われています。ただし、原因となる食物によっては食べる度に症状が悪化することがあるので油断は禁物です。
日本人のアレルギーの原因食品は主に鶏卵や牛乳、小麦で、約70%の人がこれに当たります。0~6歳では、アレルギーの原因となるのは鶏卵が圧倒的多いようです。
他にも甲殻類や果実、そば、ピーナッツ、豆類など原因食品は個々によって変わりますし、複数の食物が原因となることもあります。
食物アレルギーの症状について

食物アレルギーでは、皮膚や粘膜、消火器や呼吸器、全身性症状などの様々な症状が出ます。詳しい症状を下記にまとめました。
・皮膚(80~90%の人が皮膚症状として表れる)
かゆみ、じんましん、湿疹、むくみ、皮膚の赤み
・粘膜(20~30%の人が粘膜に表れる)
眼のかゆみ、涙がとまらない、まぶたや唇の腫れ、白目が赤くなる、くしゃみ、鼻汁、鼻づまり、口内やのどの違和感、のどのかゆみ、のどがイガイガする
・呼吸器(皮膚や粘膜と同じように呼吸器にも症状が表れやすい)
咳、喘鳴、呼吸困難、チアノーゼ、のどのしめつけ、声のかすれ
・消火器
腹痛、吐き気、嘔吐、下痢、血便、気持ちが悪くなる
・全身
上記のアレルギー症状がいくつも現れるアナフィラキシー症状や、それに加えて意識障害や血液低下という症状が重いアナフィラキシーショックなど。
これらの他にも、強い眠気が表れたり、心拍数があがるなど個々で症状が異なります。
特定の食物を食べたあとにアレルギー症状が出たら、症状の重さによって即時に対応しなければなりません。もしアナフィラキシーショックが起きてしまうと命にかかわるので、すぐに救急車を呼びましょう。比較的に軽症であれば安静にし、食べたものや症状が表れるまでの時間、回復するまでに要した時間など、状況を細かくメモして医療機関を受診してくださいね。
食物アレルギーの原因となる食物を排除する必要があるかどうかは、医師の指示に従いましょう。排除するのではなく、必要最低限の量を食べて耐性をつける必要があったり、食べているうちに治る可能性もあるからです。
まとめ
・食物アレルギーとは身体が食物を悪いものだと判断し免疫機能が過剰に働くこと
・0歳児が最も多い
・食物アレルギーは成長とともに改善されていくと言われている
・日本人の主な原因食品は鶏卵、牛乳、小麦
・アレルギーは皮膚、粘膜、呼吸器に表れることが多い