食欲の秋の到来により、バイキング形式の飲食店に行く機会も増えるでしょう。近年ではサラダバーやスイーツバーなど、サイドメニューをバイキング形式にする飲食店が増えており、バイキング形式の食事スタイルはより一層身近なものとなっています。
バイキング形式の飲食店は、不特定多数の人が食品に触れることができる環境にあるため、利用者も衛生面に気を配る必要があります。バイキング形式の飲食店で感染症に罹らないようにするにはどうしたらいいのか、自分が感染症の原因にならないようにするにはどうしたらいいのか、この機会にバイキング形式の飲食店で取るべき衛生対策のイロハについて学んでおきましょう。
入店前に手を清潔にする
飲食をする時の大前提である手洗いを徹底していますか?感染症の予防や感染症の原因となる菌を持ち込まないためにも、入店前には手洗いなどの衛生対策を行いましょう。多くの飲食店では衛生対策として店先に消毒液が設置されています。入店前にはこれらを利用して、手を除菌しておきましょう。
手づかみで食べない
バイキング形式の飲食店では、料理を取るトングや箸を、不特定多数の人と共用することになります。入店時に手を清潔にしても、共有物を使うことによって手が再度汚染される可能性があります。そのため食品は手づかみで食べず、箸やフォークを使うようにしましょう。パンなどもナイフとフォークで切り分けて食べると、感染のリスクを下げることができます。
どうしても手づかみで食べたい時は、食品に触れる前におしぼりで手を拭くようにしましょう。ひと手間の衛生対策が、感染症を予防することに繋がります。
食べ終えたお皿は再利用しない
バイキング形式の飲食店でお代わりをする時に、食べ終えたお皿を再び利用している人を見かけます。これはついやってしまいがちな行動ですが、衛生上良くありません。なぜなら食べ終えたお皿は「手で触れる」「唾液が付着する」といった理由により、汚染されている可能性があるからです。食べ終えたお皿を再利用すると、料理を盛りつける時にトングを汚染させてしまうリスクがあり、結果として感染症の原因を作り出してしまうことが予想されます。自分が感染症の原因とならないためにも、食べ終えたお皿は再利用せず、必ず新しいお皿を使うようにしましょう。
生肉を調理する時はしっかりと火を通し、器具の使いまわしはしない
焼肉やしゃぶしゃぶなど生肉を自分で調理して食べるセルフ形式のバイキングでは、生肉の調理法に注意する必要があります。生肉には「腸管出血性大腸菌」や「カンピロバクター」など、食中毒の原因となる菌が付着している可能性があるので、火をしっかり通すようにしましょう。
また、生肉を触った箸やトングで生野菜を盛り付けるといった調理器具の使いまわしは、食中毒感染のリスクを拡大させます。生肉に直接触れる調理器具と、食品を口に運ぶ食器とをきちんと分けるようにしましょう。
料理やトングを落とした時は料理台に戻さない
バイキング形式のレストランでは、「料理を取る時にこぼしてしまう」「トングを床に落としてしまう」というトラブルが起こりやすいです。落としてしまった料理やトングをそのまま調理台に戻してしまうと、料理や調理台が汚染されてしまうため、とても不衛生です。
料理やトングを落としてしまった時は店員に声をかけ、必ず新しいものと交換してもらいましょう。このような不衛生な行為を目撃した時は、店員に経緯を説明し、料理・トング・料理台が汚染されている可能性を伝えましょう。
まとめ
・飲食店に入店する時は手洗いを徹底する
・バイキング形式の飲食店では、手づかみで食べない
・お代わりをする際、使用済みの食器は再利用しない
・セルフ調理のバイキングでは、生肉はしっかりと火を通してから食べる
・生肉に触れた調理器具と、食品を口に運ぶ食器とを区別する
・料理やトングを落とした時は、調理台に戻してはいけない