バイトの応募に、インターネットは非常に便利です。検索エンジンに自分の要望等を入力して検索すれば、たくさんの募集情報を得られます。「簡単 儲かる」等入力して、短時間でたくさんの報酬を得られる仕事を探す高校生や大学生も多いでしょう。ですが、ネットのバイト情報には法に抵触するものも含まれており、注意が必要です。
警察庁によると、2018年に偽電話詐欺で摘発した人数の内、20歳未満の少年少女の割合は3割に上り、2017年の1.5倍の人数です。そして、偽電話詐欺に参加する未成年たちも、ネットのバイト情報から応募したケースが増えています。スマホの普及する現代、ネットのバイト情報について、ぜひお子さんと話し合ってください。
違法バイトとは?

違法バイトは、その名の通り法律に抵触するバイトです。特徴として、短時間でたくさんの収入を得られるものが多いです。
違法バイトに応募してしまう経路としては知人の紹介が多いのですが、ツイッターやSNSの掲示板、口コミ等に気軽に募集情報が掲載されており、そこから応募してしまう例が増えています。短時間でたくさん稼ぎたい高校生や大学生等が、違法と知らず何気なく応募してしまう例も増えています。
もし違法バイトをしてしまった場合、違法であると知らなかったとしても、法的に処罰をされます。また、違法と知っていても稼げるならと安易に続けていると、いつか摘発されます。摘発された時、高校生や大学生の場合進学や就職に大きく影響したり、何より友人に見放される等その損害は計り知れません。
スマホが普及する現代、中学生や高校生のお子さん、大学や就職で親元を離れるお子さんに、ネット上には違法バイトの求人情報があることを教えてあげてください。
違法バイトの見分け方

まず、インターネットからバイトに応募する場合、大手求人情報サイト等信頼の高いサイトに掲載された求人情報に応募するようにしましょう。
大手求人情報サイトに掲載されていない求人情報に応募する場合、求人情報を出している企業や組織の住所、担当者の名前、連絡先がしっかりしているものか確認するようにして下さい。
一方、大手求人情報サイトに掲載されていた求人情報にも違法な仕事があったという例があります。その時、実際の仕事内容を大手求人情報サイトに紹介できなかったと見られ、紹介されていた仕事内容と実際の仕事内容が大きくかけ離れていたそうです。
大手求人情報サイトから応募したものでも、紹介されていた仕事と実際の仕事が大きく違う場合は注意です。
それ以外、「楽して稼げる」というキーワードにも注意が必要です。バイトの相場と比較して、著しく高いものには裏があると考えるべきです。きちんとした仕事でも簡単な仕事と紹介されていることもありますが、時給等報酬を見ると常識的なものです。また、「楽して稼げる」というのは、フィッシング詐欺の常套文句でもありますのでご注意ください。
違法バイトの例
次に、違法バイトの例を見ていきます。あくまで数例であり全てではありませんが、注意してみてください。
携帯電話の契約バイト
携帯電話を自分の名義で契約して通信可能にし、その電話を仕事の依頼主にひきわたすというバイトです。おそらく、携帯電話会社と契約できない何者かに代わって携帯電話契約をする仕事なのでしょう。
契約上は、自分名義なので自分が携帯電話の料金を払わないといけないのですが、依頼主との約束事として、依頼主や電話を受け取った何者かが携帯電話料金を払うようです。
簡単な仕事ですし、一度の仕事でたくさん稼げるのですが、これは携帯電話会社に対する詐欺罪が成立します。
また、自分名義の携帯電話で、誰が何をしているのか解りません。個人情報が流出したり、知らない内にいろいろな犯罪に使われたり、犯罪者に個人情報を教える可能性のある大変危険なバイトです。
口座売買
金融機関に口座を作ってくれたら高額で買い取る、というバイトです。クレジットカードを作ってくれたら高額で買い取るというものもあります。どちらにせよ、詐欺罪に問われます。
また、口座やクレジットカードを買い取られても、金融機関を通じた正規の手続きを踏んでいないため、名義が自分であることに変わりありません。もし、口座やクレジットカードを買い取った人が金融機関に借金をした場合、返済義務は自分にあります。知らない間に、大きな借金を背負うこともあり得ます。
出し子

SNS等で「書類を受け取るだけの簡単で稼げる仕事」等と紹介されるが、実態はだまして用意させたお金の入った袋を取りに行く仕事で、出し子と言われます。出し子は窃盗罪に問われます、詐欺のお金とは知らなかったと申し開きをしても。
それ以外にも、運び屋やパチンコの打ち子等も違法バイトです。いずれにせよ言えることは、「簡単で儲かる仕事」というキーワードです。簡単で儲かる仕事には裏がある、それも人生に大損害をもたらす裏があると疑ってください。
まとめ
・違法バイトを行った場合、罪に問われる
・違法だと知らなかっと言っても済まされない
・違法バイトは、SNSやインターネット上のサイト、知人の紹介等で応募することが多い
・バイトに申し込む時は、雇用主となる組織の住所、担当者の名前や連絡先をきちんと確認する
・大手求人情報サイトでも、募集内容と実際の仕事が大きく違う時は注意する
・「簡単に儲かる」というキーワードは裏があると疑う
参考サイト
◆警視庁「携帯電話等を販売店からだまし取る行為は犯罪です!」
◆東京新聞「ニセ電話詐欺 少年摘発1.5倍 「高額バイト」SNSで勧誘」