前回は、BCP(事業継続計画)やBCM(事業継続マネジメント)に触れながら、災害時における通信手段の確保についてまとめました。
そこで今回は、災害時に業務を継続するための端末と、必要な書類・資料などの保管方法について解説したいと思います。
災害時に業務を継続するための端末
災害が起こったときに利用しやすい端末(デバイス)としては、次のふたつが考えられます。
どちらもメリット・デメリットがありますので、ご自身の仕事に合ったものを選んでください。
なお、どちらのデバイスを使う場合でも電源確保が必要です。日頃からフル受電したバッテリーを複数個、持ち出しやすい場所に置いておくことをおすすめします。
ノートパソコンとスマートフォン
ノートパソコンのメリット
・画面が大きく、キーボードも使えるので書類の作成が容易。
・仕事をするための各種ソフトをインストールしておける。
・ノートパソコン自体に必要最低限の書類や資料を保存しておくことができる。
ノートパソコンのデメリット
・重い(軽いものでもおおよそ1kgくらい)。
・バッテリーをフル充電しておいても2~3時間ほどしか使用できない。
スマートフォンのメリット
・軽量でコンパクトなので、災害時にも持ち運びしやすい。
・データをやり取りするのが簡単。
・パソコンに比べて消費電力が少ない。
スマートフォンのデメリット
・長文の入力や複雑な資料作りには不向き。
・本体に保存しておけるデータがパソコンよりも少ない。
データの保存方法
端末があっても必要な書類や資料がなくては仕事を継続することができません。
災害に備えてデータの保管方法も考えておきましょう。
記憶媒体
USBや外付けHDD・SSDのメリット:
・データのコピーが簡単なので、通常時にバックアップを作成しても大きな手間にならない。
・容量の大きなものでも比較的安価に購入できる。
USBや外付けHDD・SSDのデメリット
・故障するとデータを見ることができない。
・データが消えてしまったり、盗難に合うリスクがある。
クラウドスレレージのメリット
・インターネットが使える状態であれば、ほば確実にデータにアクセスできる。
・盗難やデータ紛失のリスクが少ない。
クラウドスレレージのデメリット:
・パスワードを忘れるとデータを閲覧できない。
・1つのアカウントで利用できる容量が限れれているため、場合によっては複数のアカウントを管理する必要がある。
まとめ
・災害時に仕事を続けるための端末としては、ノートパソコンやスマートフォンが考えられる。
・災害時に備えて書類や資料などのデータを保存しておく方法としては、USB、外付けHDDといったメディアや、オンラインストレージがある。