南海トラフ巨大地震の発生確率が高いと言われている昨今では、個人が備蓄しておく必要な量は7日間分と、防災関係各所から情報発進されています。ところが、この7日間分を厳密に用意するとなると、「家の中のどこにおくのよ!?」と、頭を抱えてしまう量になってしまうのです。
特に飲料水は「1日3リットル×7日×家族分」が標準と言われているので、4人家族の場合だと84リットル、なんと2リットルのペットボトル42本にもなってしまうのです。さらに、レトルトや缶詰、お米なども必要となってきますよね。
この叫びたくなるような備蓄を、悩むことなくカンタンに備えることができる防災テクニックをご紹介しましょう。
先ずは知っておこう!家庭外避難と家庭内避難で備蓄が大きく変わる
7日間分の備蓄が必要な理由ですが、南海トラフ巨大地震が発生した場合の想定されている被災範囲は、東は静岡県から南は宮崎県までと東日本大震災を大きくしのぎ、救援物資が被災地に届くのが遅れるからだと言われています。ところが、避難方法にも種類が二通りあり、誰もが7日分の備蓄が必要ではないことはあまり知られていないでしょうね。このことを把握さえしておけば、自分に合った備蓄をカンタンにすることができますよ。
家庭外避難は避難所に避難する方法!リュック一つ分の備蓄で大丈夫
家庭外避難は突発的な火災は別にして、水害での浸水被害、土砂災害警戒区域内で自宅が崩壊する可能性のある方が選択する避難方法です。つまり、自宅に留まると命の危険があるので安全な避難所に避難する方が対象になりますね。
避難時の4つのポイント
・避難する自分をイメージしてみよう
・荷物はリュック一つが基本で、多くてもリュックと両手に持てるだけ
・子供さんがいる場合は手をつなぐ必要もあるので、両手が使えない
・7日分の飲料水や食料を避難所には持って行くのは不可能となる
結果として、家庭外避難する場合は避難所にある備蓄で賄うこととなるので、一人×リュック一つ分の防災対策で大丈夫と言うことになるのです。
家庭内備蓄は7日分必要!普段の買足いと冷蔵庫の中身で大丈夫
今度は自宅に留まっておく家庭内避難の場合ですが、この場合はやはり7日分は備蓄しておいた方が良いですね。「エッ!それなら、あんなたくさん揃えないとダメなの!?」と慌てなくても大丈夫です。普段の買い物で多めの買足しと、冷蔵庫の中身で7日間分の食料は賄えるのです。冷蔵庫の中身は、冷凍庫にある物から食べて行きましょう。
冷蔵庫内の処理方法
・冷凍庫から解凍する物を冷蔵室に移す
・冷蔵室の限界時間4時間が5時間にアップする
・冷凍庫の方が冷蔵室よりも温度の上昇が早い
・直ぐ食べる物は常温で戻しておく
・氷はビニール袋に小分けして冷蔵庫へ入れる
・溶けたら飲料水として利用する
・冷蔵室の食べ物は常温になるまでに加熱処理を行う
・加熱処理しておけば翌日でも食べることが可能
このように、冷凍庫で凍った物を冷蔵室に移すことで、冷蔵室の温度の上昇を防ぐことができます。氷は早めにビニール袋に小分けして冷蔵室で溶かして、飲料水として利用しましょう。
2ℓペットボトル最低1箱は飲み水備蓄しよう
さて、実際にみなさん毎日1日3リットルもの水を飲んでないですよね。食べ物中にも水分はありますから、最低を考えれば1日:1リットルの確保で大丈夫でしょう。4人家族なら、「1リットル×7日×4=28リットル」となりますから、2ℓペットボトル最低1箱の備蓄が必要となりますね。
食料のおススメ備蓄は缶詰
食べ物も普段の買い物でレトルト食品や缶詰をついで買いして置いておけば、それが自然と備蓄につながりますよ。おススメなのはレトルト食品よりも缶詰です。温める必要が無く常温でそのまま食べることができるので、災害時にはカンタンで便利なのです。
まとめ
・ご自身の避難方法が家庭外か家庭内か把握しよう
・ご自身に合った備蓄方法を行うのがベスト
・冷凍庫⇒冷蔵庫⇒加熱処理⇒缶詰などの順で食べよう
・防災上の飲料水の備蓄は4人家族で最低2ℓペットボトル1箱必要