非常時に向けて食料品を備蓄するときは賞味期限の長さや、エネルギーを効率よく補給できるかどうか、という視点から選ぶことが多いですよね。一方で、備蓄品の栄養バランスが気になる方もいるのではないでしょうか。
災害時の食事は栄養バランスが崩れがちになるので、備蓄品を栄養バランスの視点から見直すことは、とても大切なことと言えるでしょう。そこで今回は、保存が可能であり、なおかつ災害時に不足しがちな栄養素を補うことができる食品について考えてみました。
食料を備蓄するときのポイント
大規模災害が起こると、食品の補給ができなくなります。また、電気・ガス・水道などのライフラインが停止すると、調理をすること自体が難しくなります。このような状況下では肉・魚・野菜などの生鮮食品の摂取が難しくなり、ビタミン、食物繊維、ミネラル、たんぱく質といった栄養素が不足しがちになります。
備蓄品を考えるときは、「常温で長期の保存が可能」「調理が必要ない」「災害時に不足しがちな栄養素を補うことができる」という三つのポイントを意識するとよいでしょう。
おすすめの食品は?
①野菜ジュース
野菜ジュースはビタミンや食物繊維を補うことができます。災害に備える際は、常温保存が可能で、賞味期限が数か月先に設定されているものを選ぶようにしましょう。サイズは1度に飲み切れる量のものがおすすめです。
筆者の家では200ミリリットルの紙パックタイプを備蓄しています。紙パックタイプは、飲み終わった後にパックをつぶすことで、ゴミがかさばらなくなるというメリットもあります。
②缶詰の野菜・フルーツ
缶詰は常温保存・長期保存が可能であり、備蓄に適した食品です。野菜の缶詰を備蓄しておくと、いざというときにビタミンや食物繊維を補うことができます。コーン缶やトマト缶などが身近ですね。
フルーツ缶は、ビタミンなどを摂取することができます。みかん・ももなど、好みのものを揃えておきましょう。ドライフルーツなども備蓄に適しています。
③缶詰の肉・魚・豆
肉・魚・豆の缶詰からは、災害時に不足しがちなたんぱく質を補うことができます。肉・魚・豆の缶詰は様々な種類や味が販売されています。複数の種類をそろえておくと、飽きることなく食べることができるでしょう。
④豆乳
豆乳はたんぱく質や、カリウムなどのミネラルを補給することができます。複数の味が発売されているので、飽きることなく飲むことができます。
⑤レトルト食品・フリーズドライ食品
レトルト食品を準備しておくと、栄養素をまんべんなく摂取することができます。ライフラインが停止したときのことを考慮し、常温のまま食べることができるものを備蓄しておくと安心でしょう。
フリーズドライ食品は、水を注ぐことで手軽に食べられる食品です。たんぱく質やビタミン、ミネラルなどを摂取できるため、災害時の強い味方となります。
レトルト食品、フリーズドライ食品は、湯せんをしたりお湯を注いだりすることで、より美味しく食べることができます。カセットコンロと鍋などを合わせて準備しておくと、非常時の食事の幅が広がるでしょう。
ローリングストックを活用しよう
様々な食品をバランスよく備蓄するためには、日常生活の中で消費と補充を繰り返しながら備蓄を行う「ローリングストック法」が最適です。筆者は、野菜ジュース、豆乳、レトルト食品、フリーズドライ食品などを、ローリングストック法を活用しながら備蓄しています。
自宅に食品を備蓄しておくことは大規模災害に備えるだけでなく、「落雷で停電した」「天候不順や感染症の流行により不要不急の外出を控えたい」、あるいは「急な体調不良で買い物に行けない」など、日常生活で起こりがちな事態に備えることにもつながります。この機会に、栄養バランスを考えた食品の備蓄を始めてみてはいかがでしょうか。
まとめ
・災害時はビタミン、食物繊維、ミネラル、たんぱく質などの栄養素が不足しがち
・野菜は野菜ジュースや缶詰を利用して備蓄する
・たんぱく源は缶詰、レトルト食品、フリーズドライなどを使って備蓄する
・ローリングストックを行うことにより、栄養バランスに配慮した備蓄ができる