災害が相次いでいることから、食糧や水の備蓄に対する関心が高まっています。水には保存水、ミネラルウォーター、水道水など様々な種類があります。災害時に備蓄するには保存水が適していると言われていますが、保存水はミネラルウォーターや水道水とどう違うのでしょうか。今回は保存水を備蓄する意義について考えてみましょう。
保存水とは
保存水は長期間保存することを目的とした水のことで、殺菌処理や不純物の除去を徹底して行っています。製造工程も厳格で、クリーンルームと呼ばれる清潔な空間で製造されます。保存水は徹底した工程を経ることによって長期保存が可能となり、賞味期限は未開封の状態で5年~10年と長く設定されています。
一方で、市販されているミネラルウォーターの賞味期限は概ね2年程度です。製品によっては採取された水がそのまま使用されていることもあります。ミネラルウォーターを災害用に備蓄しても構いませんが、頻繁に交換しないと「いざという時に賞味期限が切れていた」という事態を引き起こしかねません。「頻繁に交換する手間を省くことができる」「いざという時に賞味期限が切れていた」という観点から見ても、災害用備蓄には保存水が適していると言えるでしょう。
保存水のメリット・デメリット
保存水の最大のメリットは未開封の状態であれば長期間保存することができる点です。殺菌処理もしっかりとされているため、いざという時に安心して飲むことができます。
デメリットは価格が割高な点です。保存水は徹底的な殺菌処理を施しているため、価格が市販のミネラルウォーターよりも高くなってしまうのです。飲料水は一人当たり1日3リットル×3日分を目安に備蓄することが望ましいとされています。家族が多い場合は、ミネラルウォーターを備蓄するよりも、家計費を圧迫してしまう可能性があります。
一方で、保存水は頻繁な交換を必要としないことから、長期的な目でみるとコストはかかりません。箱買い・まとめ買いをすることで比較的安く購入することもできます。
水道水は備蓄できないの?
水道水をポリタンクや空のペットボトルに保存することができると、費用も安いですし何よりも手っ取り早いですよね。ですが、水道水をそのまま汲み置きすることは、長期保存には向きません。
水道水には殺菌のために塩素が含まれていますが、塩素は時間が経つにつれて減っていきます。そうすると、汲み置きしておいた水道水に雑菌が繁殖するリスクが高まります。水道水の汲み置きを使用する場合は、3~5日が目安です。それ以上経過した水道水は飲料には適していません。
まとめ
・保存水は賞味期限が長く、長期保存に向く
・保存水は殺菌処理が徹底されているため、安心して飲むことができる