「脅威はかつてなく重大です。眼前に差し迫ったものです。~」この国連総会における安部首相の言葉どおり朝鮮半島情勢は日を追うごとに緊張度を増し世界各国とも懸念を強めています。
一方、国内においては衆院選挙の投開票日が10月に行われ国民の意志によって安倍政権の継続が決定しました。
そこで、「半島情勢の緊迫」と「国政選挙」が重なったこの機会に、あらためて「防衛」(安全保障)について考えてみます。
特に今回は、初めて選挙に参加した高校生や、この機会にあらためて「自分の考え」を整理したいと思った人などが、国の防衛・安全保障について考える際の視点(切り口)につなげやすい問題意識を「なぜ?」という問いかけの形でいくつかの例を紹介したいと思います。
これから始まる国会の場において、どの様な論点で討議されているのか関心を持ってみる事も必要ですね。
まずは列挙した「問いかけ」に答えてみて下さい。
その1:根本的な「問いかけ」の例
①「国家にとって最も重要な任務は何か?」
②「安全保障環境の現実をどう考えているか?どれ程の危機意識をもっているか?」
③「基本政策の中で『防衛・安全保障』をどう位置付けているか?」
その2:現状認識及び対策(政策)に関する「問いかけ」の例
①「何が安全保障上の脅威なのか?短期・中期・長期と分けた場合にそれぞれどのような脅威が考えられているのか?」
②「脅威の対象となる相手(国や組織など)は、何をしようとしているのか?何ができるのか?」≪相手の意図と能力≫
③「日本に対する武力攻撃をはじめ『朝鮮半島有事』、『台湾有事』、『南シナ海有事』などさまざまな事態が発生した場合どんなことが起こると予測されているのか?」
④「各種脅威に対する安全保障政策の現状をどう考えているか?安全保障法制は?防衛体制は?防衛予算は?問題点はあるのか?あるとすればその対策は?」
⑤「核武装した国からの脅威に対する抑止力の現状をどう考えているか?問題点はあるのか?あるとすればその対策は?」
⑥「日米安保条約・在日米軍についてどう考えているか?」
⑦「安全保障の観点から憲法改正についてどう考えているか?」
ここまでの段階で、「基礎知識(情報)が有るのか」や「自分の考えを説明できるか」が分かり、同時に「何をどの程度調べる必要があるか」なども分かってきますので、その都度、新聞を見直したり図書館で調べたりして「知識の空白部分」を埋めていきます。
さらに続けて行くと新たな疑問が次々と出てくるかもしれません。すぐに答えが得られない場合でも「疑問のアンテナ」として張りめぐらせておくことで、多くの情報の中から必要な知識をつかみやすくなり「判断材料」を増やすことにつながります。
自分の考えがある程度整理できた段階で、各政党の防衛・安全保障に関する政策について確認していきます。
その3:各政党の政策について考えるための「問いかけ」の例
①「各政党の防衛・安全保障に対する基本的な考え方は何か?」≪基本政策≫
②「各政党・立候補者が主張する政策の中で防衛・安全保障をどう位置付け、どう考えているか?」≪政策の優先順位≫
③「各政党・立候補者は、安全保障環境の現状を踏まえ、どのような具体策を提示しているか?それを国民にどう説明しているか?」≪政策の内容≫
全体像を把握した段階で総合的に検討し、「自分の考え」をまとめます。
この時に、国民としての立場は当然ですが、「もし国会議員だったら~」、「総理大臣なら~」といった視点に立って考えてみることも必要だと思います。
「わが国はまさに戦後最大の安全保障上の危機に直面している…」、「日本は重大な岐路にある…」など有識者の言葉からも伝わってくる強い危機感をわれわれ国民一人ひとりも共有した上で、これからの国会で各政党の政策をよく聞き、自分でよく考えてみる事が必要ですね。
まとめ
・防衛・安全保障について考える際は現状に対する強い危機意識を持つことが重要
・幅広い視点で「なぜ?」という問題意識を持ちながら自分の考えを整理