かつては、「旅行などに行くときは、隣近所に一言声を掛けてから行くのが正解」とされていました。しかし現在は、少し様子が異なってきています。どの様な事に気を付けなければならないのでしょうか。
「声かけをした方がよい」という意見
「旅行などで長期間留守にする際は、隣近所に声を掛けていった方がよい」とする意見があります。
これは、周りの人が家に気を配り、不審な人が出入りしていないかを気に掛けてくれるからです。見慣れない人が留守の家にうろついていた場合、通報などをしてくれる人もいるでしょう。また、「隣近所が密に連絡をとっている地域であること」が、そのまま抑止力ともあり得ます。
加えて、回覧板などを回す際に、旅行中の家を飛ばして回してもらえるという実利的な面もあります。非常に仲良く付き合っている人ならば、宅配物などの預かりをお願いすることもできるでしょう。
「地域ぐるみの防犯対策を行っていく」という価値観からすれば、このような「近所への声かけ」は非常に大切だといえます。
現在ではあえて声かけをしないという意見も
一方、現在では「あえて声かけを行わない」とする意見もあります。
「旅行に行くので、よろしくお願いします」というあいさつは、隣近所の人に「今から留守にします」と告げることに他なりません。このため、相手に「留守にすること」がバレてしまうのです。もちろん大多数の人は「防犯に気を付けてあげよう」と好意的に受け止めますが、悪意にとって、その「近所の人」が泥棒に変身する可能性もゼロではないのです。
特に女性の一人暮らしで賃貸物件に住んでいるという場合は、このあたりはかなり慎重に見極めなければなりません。日ごろから親しく付き合っている人ならば危険性は低くなりますが、そうではない場合、あいさつをしにいくことによって逆にトラブルを招いてしまいかねません。「一戸建て」とは異なり、集合住宅の場合はすぐに屋移りできてしまう環境にありますから、なおさらです。
また、「隣近所にあいさつしにいくと、旅行のお土産を買わなければいけなくなるのがつらい」という声も上がっています。
近所に声を掛けるか掛けないかの「正解」はありません。日ごろの付き合いを考慮して考える必要があるでしょう。
まとめ
・隣近所に声をかけて旅行に行くことで、泥棒などを防いだり、万が一のことがあった際に通報などをしたりしてもらえることがある
・声を掛けることで、相手に留守であることがわかってしまうデメリットもある
・日ごろの付き合いの深さを加味して、声かけをするかどうかを考える必要がある