冬の時期は日が暮れるのがとても早くなります。この時期に気になるのは、下校時における子どもの安全確保ですよね。
秋分の日以降、日の入りは日に日に早くなり、子どもの下校時刻と重なる16時から17時は夕暮れから日没に差し掛かります。つまり、同じ時刻に下校していたとしても、夏と冬とでは周囲の状況が全く異なるということです。夕暮れ時は「あたりが暗くて見通しが悪い」「人通りが少なくなる」「死角が増える」といった犯罪のリスクが高まります。こうしたリスクを予め理解し、夕暮れ時を狙った犯罪から子どもを守るためにも、下校時の防犯対策について考えてみましょう。
通学路を守らせる
小学校では通学路が設定されていることが多いですよね。中学校や高校では通学経路を学校に申請し、許可を得たルートを利用することが多いのではないでしょうか。
通学路は「外灯が多い」「民家に面している」「繁華街を避ける」といった安全面を考慮し、比較的安全なルートが設定されています。こうした安全なルートを通ることにより、事件や事故に巻き込まれる確率を下げることができるでしょう。その他にも、通学路に出没した不審者情報は、学校から発信されるメール等でいち早く知らされるため、瞬時に防犯対策を取ることができます。地域住民による自主的なパトロールも通学路を優先して行われる傾向があるため、通学路を通る防犯上のメリットは非常に高いと言えるでしょう。
通学路のメリットを活かすためには、子どもへの教育を徹底させる必要があります。「寄り道はしない」「近道はしない」といった基本的なルールを言い聞かせましょう。
防犯ブザーを持たせる
防犯ブザーには不審者をひるませて逃げる隙を確保する役割と、事件の発生を周囲に知らせる役割とがあります。子どもは不審者を前にすると声をあげることができない可能性があります。また、不審者から口を塞がれて声を出せない状況に陥ることもあるでしょう。防犯ブザーは、このような危機的状況の時に、危険を周囲に知らせることができます。
防犯ブザーは様々なタイプがあり、小学生には「ランドセルに引っ掛けることができるタイプ」「首から下げることができるタイプ」が人気です。子どもと相談し、子どもが使いやすいと感じるタイプのものを選びましょう。
防犯ブザーは持たせるだけでは効果を十分に活かせないことがあります。必ず使い方を指導するとともに、一か月に一度は音の鳴り方や電池が消耗していないかを確認しましょう。
GPS機能付きの携帯・スマートフォンを持たせる
小学生以上の子どもに、防犯対策として携帯電話やスマートフォンを持たせる家庭が増えてきています。子どもに携帯電話やスマートフォンを持たせるメリットは、機器についているGPS機能を利用し、子どもの居場所を確認することができる点にあります。子どもの居場所を知ることによって安心感を得られますし、GPSが突然途切れた時は犯罪に巻き込まれた可能性を疑い、いち早く行動に移すことができるでしょう。
GPS機能付きの携帯電話やスマートフォンは、塾や部活動で帰宅が遅くなる機会が多い子どもに積極的に持たせておくと安心です。
迎えに行く
夕暮れ時は犯罪のリスクが高まるからこそ、子どもの安全を考えるならば駅や学校まで直接迎えに行くのが一番です。「下校時刻が普段よりも遅い」「通学路を外れたルートで帰宅することになった」「いつも一緒に下校している友達が休みで一人になる」といったイレギュラーな事情が発生した時は、なるべく迎えに行くようにしましょう。
すぐに迎えに行けずに子どもを待たせる時は、安全な場所で待たせることが重要です。子どもを待たせる時は、学校、図書館・公民館等の受付、駅員がいる駅の窓口など、人の目がある場所を待機場所に選ぶようにしましょう。
まとめ
・夕暮れ時は犯罪に遭うリスクが高まる
・子どもの安全確保のためにも、通学路は徹底して守らせる
・登下校時には防犯ブザーを持たせる
・GPS機能付きの携帯電話やスマートフォンを持たせて、子どもの居場所を確認する
・夕暮れ時を狙った犯罪から子どもを守るためには、迎えに行くのが最も有効な手段である