平成24年に起きた、13歳未満を対象とした「誘拐事件」。これの発生件数は、実に95件に上ります。
この卑劣な犯罪を防ぐために、保護者はどのような対策を講じればよいのでしょうか?
大人が気を付けたいこと
誘拐を防ぐためにはまずは大人の取り組みが大切です。
連れ去りは、親の目が届かないところでよく起こります。登下校中や子どもたちだけで遊んでいるとき(特に一人のとき)だけではなく、意外なほど「人がたくさんいるなか」でも起こるのだということをしっかり覚えておかなければなりません。
人ごみのなかにいると、保護者の目もついつい行き届きにくくなってしまいます。また、大人を疑うことを知らなかったり人見知りをしたりしない子どもの場合、優し気に声をかけてきた人を信じてしまい、周りから見ても「親戚か親かな?」というほどになじんでしまうこともあります。
「持ち物をなくさないように」と、名前をランドセルの名札などに書いておく家庭もあるでしょう。しかしこれも危険です。「知らない人にはついていかない」ということをわかっている子でも、自分の名前を呼ばれてしまうと「知っている人だ」と思ってしまうこともあります。名前は、見えないところに書きましょう。
子どもと一緒にやりたいこと
「子どもには防犯ブザーを持たせている」という家庭もあるでしょう。しかしこれの運用も、しっかり教えておかなければなりません。
ランドセルの奥などにしまい込むのではなく、必ずすぐに鳴らせるところにさげておくことが誘拐の抑止力となります。
何事もないときに鳴らすと「オオカミ少年」になってしまうので、これはきちんと戒めること。また、防犯ブザーを鳴らしたのなら、すぐにそこから走って逃げることを教えます。
加えて、入学時などは、町のなかにある「危ない場所」を親子で共有してください。繁華街や廃屋、手入れの行き届いていない公衆トイレなどの危険性を子どもに伝えることで、誘拐を未然に防ぐことにつなげます。
子どもは「怪しい人についていかないで」と言っても、子どもはその判断がつきません。子どもにとっては「優しく声をかけてくれる大人」は「怪しい人」ではないということもあります。また、「知らない人についていかない」という教育をするのではなく、「保護者に許可をもらわない状態で、だれかについていくことがないように」と教えてください。
「数回公園で一緒に遊んだ人」を、子どもは「知っている人」にカウントすることがあります。
また、行き先と帰る時間、誰と遊ぶかを親に言うようにと教えてください。
まとめ
・人ごみでも誘拐は起こる
・子どもの名前を見えるところに書かない
・防犯ブザーの使い方を教える
・危険なところを共有する
・「保護者に許可をもらわない状態で人についていかない」と教える
・行き先と帰る時間、誰と遊ぶかを共有すること