山の中や田舎の町の中を移動していると水が溜まったコンクリート製の水槽を見かける事があります。
水槽の中には昔から貯められている濁った水が、中で発生した藻やコケによって不気味に見える事もあるでしょう。
しかし、その水は万が一火災が近くで起こった時に重要な役割を果たす存在なのです。
普段注目されない防火水槽に関して調べてみました。
防火水槽の役割
消防車に水を供給し消火活動を助ける
防火水槽がある場所は、通常周りに河川などが無くて主要な水道が通っていない所にあります。
消防車が放水を行う時に水源が近くに無ければ、水槽を内蔵した消防ポンプ車や大型水槽車といった車両で持ち込んだ水しか作業に用いる事が出来なくなってしまいます。
それでは充分な消火活動が出来ない可能性があるので、消防水利と呼ばれる消火活動に用いられる貯水施設や水源が消防法を根拠として定められています。
防火水槽の大きさ
意外に大きな物が多い
貯水槽は消防車から取水し易い様に開口部が地表に空いていますが、水深は開いた場所からは想像し辛いほど深い事が多いです。
東京消防庁が紹介している消防水利施設に定められたサイズでは地盤面から水槽の底までは7m以内とするとありますが、逆に言えば相当な深さがあるのです。
消防水利と指定されるには常時40立方m以上の水量を蓄えていて、連続して40分以上給水出来る能力が必要とされています。
通常は60立方mや100立方mの水槽が使われていて、地下に埋まっている範囲は非常に広い事が多いです。万が一転落したら、泳げないと大変な事になってしまいます。
また、防火水槽の近くには主要な水道は通っていなくても常時水を貯える必要があるので、給水車で運ぶなどして補給する必要があります。定期的に補給する必要があるので、厄介な作業ではありますが、地域の安全を考えると重要な仕事です。
防火用水の使われ方
火災だけでなく災害の時にも活躍する
防火用水は火災発生時に消火に用いる為の水を供給する施設ですが、災害が発生した時にも活用される事があります。
高性能なろ過装置を用いて、被災地の水不足を解決する為の貴重な水源としても利用されるのです。
似たような存在に耐震性貯水槽という災害時に綺麗な水を供給する為、常時水道から新しい水を供給される水槽がありますが、防火水槽と違い密閉されている為、万が一水が供給されなくなっても清潔な水を供給できる点が違います。
どちらも緊急時に大切な水を供給してくれる存在として、普段は接する事はありませんが大切なものである事を知っておいてください。
まとめ
・防火水槽は火災の時に消火の為の火災を供給する貴重な水源
・水深が最大で7m近くあり非常に深くて大きい。
・消防目的だけでなく、災害時の生活用水として利用される事もある。