阪神・淡路大震災では、亡くなった方の約8割が、家屋の倒壊や転倒した家具の敷きとなってしまったことによる圧死・窒息死であったと考えられています。家具の転倒は命に直結するリスクがありますし、他にも大きな怪我をするリスクや避難が遅れるリスクもあるのです。
阪神・淡路大震災を教訓とし、怪我や命の危機のリスクを回避するためにも、ホームセンターなど身近な場所で購入できるものを使って、家具の転倒防止対策を行ってみませんか?
ホームセンターで購入できる転倒防止グッズ5選
家具の転倒防止グッズは、ホームセンターなど身近な場所で購入することができます。設置できる場所から取り組んでみましょう。
また、引越し業者によっては引っ越しの際に大型家具を固定するグッズを販売・提供しているケースがあります。大型家具は1人で移動できないことがあるため、引越し・大掃除・模様替えなどを利用して転倒防止策を導入していきましょう。
L字金具・連結金具

金具による固定法は、L字型の金具を使って壁と家具とを直接固定する方法です。この方法は、強力な転倒防止効果を得ることができます。一方で金具をネジで固定するため、壁と家具の双方に穴が開いてしまいます。持ち家なら自己判断で取り入れることができますが、賃貸物件などに住んでいる場合は使用できないことがあるため、作業前に大家や管理会社に確認を取るようにしてください。
金具による固定法は、家具と家具とを固定する時にも使えます。カラーボックスなどの家具を重ねて使用している場合は、上部のボックスと下部のボックスとを連結金具で固定します。そのうえでL型金具を使って壁に固定しておくと安心です。
ポール式つっぱり棒
L型金具が使用できない環境で役立つのが、ポール式つっぱり棒を使って家具を固定する方法です。取り付け方は簡単で、家具と天井の隙間に専用のポール式ツッパリ棒をかませるだけです。家具や壁に跡が残らないというメリットもあります。
この方法は、本数を守らない場合やきちんと固定しなかった場合、十分な効果が得られなかったり、かえって家具が転倒しやすくなったりすることがあります。説明書をよく読んで使用してください。
粘着シート
ジェルマットなど粘着性のシートもまた、壁や床に穴をあけることなく使用できる耐震グッズです。家具と家具・床を粘着性のシートで固定するだけなので、テレビなどL型金具やツッパリ棒が使えない家具・家電を固定する時に役立ちます。透明な製品も発売されているため、室内の景観を損ねることなく転倒防止策を取ることができます。
一方で、L型金具やツッパリ棒と比較すると耐震性にやや欠けるものもあるので、大型家具に使用する時は、他の耐震グッズも取り入れると安心です。
チェーン

大きな横揺れが起こった際、照明器具は大きなリスクを生み出します。釣り下げ型の照明器具はチェーンで固定しておくようにしましょう。天井にフック式の金具を2~3か所設置し、フックと照明器具との間をチェーンで固定します。金具・チェーンともにホームセンターで購入することができます。
キャスター移動防止具
キャスター付きの家具は大人数の家族から一人暮らしまで、幅広く使われている家具です。
キャスター付きの家具は移動が便利な一方で、移動させない時はキャスター部分を固定しておかないと、地震が起こった時に大きく揺れたり倒れたりする原因になります。平時からキャスターのストッパーをロックしておきましょう。そのうえで、キャスター移動防止具と呼ばれる器具を取り付けておくと安心です。キャスター移動防止具はホームセンターやインターネット通販サイトなどで、数百円程度から購入することができます。
まとめ
・阪神淡路大震災を教訓とし、家具の転倒防止策を取り入れる
・持ち家の場合は、家具と壁を金具で固定すると安心
・ポール式ツッパリ棒やジェルマットは賃貸物件でも取り入れることができる
・照明器具はチェーンを使って固定する
・キャスター式の家具はキャスター部分を固定する