「お子さまと一緒に防災対策」2回目の今回は、お子さまとお母さまのための備蓄を中心にお伝えします。
地震災害で命を脅かす最も危険なことは、「家屋の倒壊」と「大型家具の転倒」です。
災害時、幸いにその2つから免れその後の命をつなぐためには、特にお子さま向けの備えには注意が必要です。
より快適に、体と心の健康を保ちながら避難生活を送れるよう、備えを万全にしておきましょう。
大人も子どもも、“水”は命綱
地震災害時、大規模な地震になればなるほど、断水が起こる可能性は高いです。
そのため、飲料水と生活用水に関して、3日間程度は自分たちで賄えるように備えておくと安心です。
水は、私たちの命をつなぐうえで大変重要なストックアイテムです。
生活用水の確保の方法として、浴槽のお湯は抜かずにとっておく習慣、水道水を2リットルペットボトル数本に保存しておく習慣(1週間おきに交換するとよい)が役に立ちます。
飲料水は、長期保存可能な水をストックしたり、普段から「使ったら補充」という「ローリングストック」を習慣づけておくと役立ちます。
また、いざというときもすぐには断水状態にならない場合もあります。大地震が起こったら、まず蛇口をひねってみて、水が出るようなら、できる限りバケツなどに水を溜めておきましょう!
非常用持ち出し袋中身にプラスα
非常用持ち出し袋、多くのご家庭でご用意いただいていると思います。
特にお子さまや女性(お母さま)は災害時、避難所でも手に入りにくいものが必要になることが多いようです。
そのため、精神的にもゆとりをもつことができるような備えを工夫しておくと安心です。
ストレスをできる限り少なく、地震後の生活を送れるよう、お子さまや女性は特に気を付けて準備しておきましょう。
乳幼児向け
・紙おむつ
ストレスでお腹を下すお子さまも多いようです。多めに用意しておきましょう。
・大きめのバスタオル
寝具、おくるみに便利です。また、避難所での目隠しにも使えます。
・カイロ
体の保温、ミルクの温めにも利用できます。
・離乳食
レトルトやびんのものを、月齢の少し先まで用意しておくと安心です。
・母子手帳
コピーを入れておきましょう。
・抱っこ紐、お子さまの靴
万が一の避難の際、ベビーがーでの避難は大変危険です!
また、小さなお子さまと一緒に避難する場合は、お子さまを抱きかかえた方が安全です。(災害時、道路には瓦礫などが散乱し、大人でも歩行が困難になると言われます。)
その際に、抱っこ紐があると両手が空き、重宝します。
また、抱っこで避難すると、お子さまの靴を忘れる場合がありますので、一緒に入れておくとよいでしょう。
・ウェットティッシュ(おしりふき)
水が使えない場所で重宝します。
・歯磨きシート、液体歯磨き
口の不衛生な状態は、感染症のリスクを高めます。
免疫力の低いお子さまには特に注意し、ウエットティシュのような「歯磨きシート」や「液体歯磨き」でお口の衛生を保ってあげましょう。
・マスク
埃よけ、風邪予防、乾燥予防に効果的です。お子さまの健康維持に。
お母さま、女性の方向け
・生理用品
意外と忘れがちですが、避難時のストレスで突然始まってしまうこともあります。
持ち出し袋には必ず常備しましょう。
支援物資でも届くようですが、貰いにくい、必要枚数がもらえないなど、デリケートなものですので、自分で用意しておいた方が安心です。
ナプキン、サニタリーショーツ、ビニール袋等、大きめのポーチにまとめて入れておくと良いでしょう。
・下着類
1~2枚程度入れておけば安心です。サイズのあるものは支援物資では手に入りにくいです。(靴も同様)
お母さまの健康は乳幼児の命にかかわる
東日本大震災では、授乳中のお母さまがストレスでお乳が出なくなってしまったというエピソードもあります。
地震災害という非常事態では、大人であってもかなりのストレスがかかり、健康を維持するのが困難になってきます。
さらに、乳幼児を抱える母親が健康を害してしまうことで、お子さまの命に危険が及ぶということも考えられます。
そのような観点からも、まずは大人がしっかりと身の安全を確保し、身も心も健康な状態で地震後も生活していくことが、お子さま方の安全を確保することにつながります。
避難所生活は、精神的にもかなりの負担になるようです。
家が倒壊してしまったり、津波で流されてしまったり、もう住めないような状態になることだけで、私たちは相当なストレスを抱えることになります。
そのため、ご自宅が地震に耐え、生活するのに問題ない状態であれば、無理に避難所に行かずに自宅で生活する方が精神的にも良いようです。
特に、小さなお子さまは避難所生活に耐えることはとても負担であると考えられています。
お子さまのためにも、大地震後も住むことが可能なご自宅にすることは、大変重要なことではないでしょうか。
まとめ
・生活用水と飲料水の備蓄は命をつなぐために重要!
・お子さまやお母さま向けの備蓄は、災害後の快適な生活に役立つ!
・避難所生活はお子さまにとっても負担になるので、「自宅」で過ごせるようにする!
参考文献
◆子どもを守る防災手帖 / MAMA-PLUG編・著 / KADOKAWA pp.28~35、p.51、p.124
◆みんなの防災ハンドブック / 草野かおる 著、渡辺実 監修 /ディスカヴァートウェンティワン pp.24~25
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