みなさんは、防災訓練に参加したことはありますか?一言で防災訓練といっても、さまざまな種類があります。地域で行う消火器の使い方を知る訓練や、道路にある消火栓をとホースを使った消火訓練。企業で行なう避難訓練など、ケースによって防災訓練の内容も異なってきます。今回は、ケースごとの防災訓練の内容と、訓練が必要な理由について解説しましょう。
地域で行なう防災訓練
地域で行う防災訓練では自治会単位で行なう訓練や、校区単位で行なう比較的規模の大きな訓練があります。それぞれの訓練の内容はケースバイケースなので、どの訓練が良いなど比較することはできません。ただ、最も身近なのは自治会単位で行なう防災訓練になるでしょう。
自治会単位の防災訓練は身近な訓練内容が多い
自治会単での防災訓練では、はしご車を使ったり、救助ヘリをつかったりはできません。各自治会にあるはずの、消防団が中心となって、次のような訓練内容がほとんどのはずです。
・避難所までのルートを確認する避難訓練
・消火器の使い方を学ぶ消火訓練
・道路の消火栓を使った消火訓練
・毛布タンカなどを学ぶ救護訓練
・AEDの使い方や胸骨圧迫を学ぶ蘇生措置
これらは実際に参加して学習するので、自分たちのスキルをアップさせる有効な訓練となります。
道路にある消火栓は誰が使ってもイイ
道路上に一定間隔に設置されている消火栓は、誰が使っても良いことを知っていますか?消防署や消防団しか使えないと、思い込んできる方は大勢います。ですが、それは間違いで、火災時には誰もが自主的に使って、初期消火を行なうことが可能なのです。消火栓の近くには「ホース格納庫」も設置されていて、中には「筒先・ホース2本以上・消火栓開閉器」が収められています。
・消火栓開閉器を使って消火栓のフタを空ける
・ホースを消火栓の放水口につなぐ
・ホースを延ばしてできるだけ現場に近づける
・筒先をつなぐ
・消火栓開閉器を使って消火栓のバルブを開ける
・筒先から勢いよく水が出る
このような手順で、誰もが消火を行なうことができます。これらの使い方などは、自治会の防災訓練で行なうことが多いです。一度でも訓練して体験していると、本当の火災があった場合に対応ができますが、そうでない場合は使うことができず、初期消火をすることができません。
AEDも誰もが使える!近くにパチンコホールがあればAEDがある
心肺停止の状況から蘇生を行なうには、AEDが有効です。AEDは使い方を一度習えば、誰もがカンタンに使えるようになります。その理由は、AEDがじゃべって教えてくれるからです。電極パッドを貼る位置もAEDに記載があるので、その通りに行なえば大丈夫。充電から、ショックまで全て自動ですし、使用しなくても大丈夫な場合は作動しません。ただ、男性の場合や女性の場合で対応が異なりますし、AEDで処置している間に、救急への連絡が必要です。そのような手順を、防災訓練で学習できます。因みに、AEDはほとんどのパチンコホールに設置されていますから、必要な際は近くにパチンコホールが無いか確認するといいですよ。
企業で行なう避難訓練
企業で行なう避難訓練は、「あ~!仕事あるのにめんどくさいなぁ」と、嫌がられることが多いですが、実はとても大切な訓練なのです。避難する際の手順を間違えると、企業にとって大きなダメージを負うばかりか、自分が取り残されて命を落とすこともあり得ます。
企業の命ともいえるデータの確保が重要
現在ではほとんどの企業が、データの保管場所にクラウドを利用しているはずです。そうでなくとも、社内LANや部門ごとのLANを構築して、専用のデータサーバーで必要なデータを管理しているでしょう。災害が起きて避難する際に、クラウドにアップされていないデータを、どのように持ち出すのか、誰が行なうのかなど、明確にマニュアル化していないといけません。さらに、訓練で実際に持ち出すこともやっておかないと、イザ災害が起きた時にデータがそのまま放置される可能性が高くなります。企業の命とも言えるデータをどうやって持ち出すのか、などの訓練は重要なのです。
非常口が分からず取り残される可能性もある
企業の入っているビルでは、年に1回は避難訓練が実施されるはずです。その時に、普段は気にしていない非常口の存在を知ることとなります。例えば、火災が起きて煙が充満した時に、非常口から脱出できれば火の手がまわってくる前に、避難することが可能です。ですが、訓練をサボっていて非常口の場所を知っていないと、煙で周囲が見えないので取り残されてしまい、火災に巻き込まれる可能性もあるのです。
体験しているのとしていないのでは、対応が全く異なる
どのような防災訓練でも、無駄な訓練はありません。体験しているかしていないかで、実際に災害に遭遇した際の対応が全く異なってきます。特に、地域で行なう防災訓練は身になることが多いです。面倒だとは思わないで、どんな防災訓練でも参加できる機会があれば、ぜひ参加しておきましょう。
まとめ
・地域の防災訓練は身になる訓練が多い
・道路にある消火栓は誰が使ってもイイ
・AEDも誰が使っても大丈夫
・パチンコホールにAEDは設置されている
・どんな防災訓練も無駄な訓練はない
・機会があればぜひ参加しておこう