2016年は4月から5月末まで続いた熊本地震から8月の台風7号の被害まで災害による影響が続いた年でした。
今年も各地で地震が起きるなか、大雨と併せた被害が懸念されるところです。
日本政府は内閣府の危機管理センターといった災害に備えた設備があるのですが、その中で全国の災害情報を集約して常にまとめて発表している機関が国土交通省です。
そして災害情報収集の中心となっているのが防災センターという施設になるのですが、ここでは普段どの様な事をしているのでしょうか?
防災センターの実態に迫ってみました。
全国の災害情報を集約!
地震や風水害の状況を一元的に集める施設
霞が関に各省庁の機関が集まった中央合同庁舎という建物があります。
その第2号館地上14階に国土交通省の防災センターがあります。
ここでは、以下のシステムを最大限に活かして災害時に現地の最新情報を集めています。
・河川情報システム
河川の傍に置かれたセンサーを用いて、降水量や河川の水位といった河川に関する総合的な情報から積雪状態や海岸の状態といった情報まで集める事が出来ます。
ダムの取水量といった情報も集めており、水不足に関する情報も集めています。
・気象情報システム
気象庁が管理しているシステムで、全国の気象観測所と気象衛星の情報から台風や大雨の情報を集めています。地震や火山に関する情報も集めており、地図情報と合わせて情報を見る事が出来ます。
・レーダー雨量計システム
国土交通省が全国26か所に設置している降水量を図るレーダーシステムで、リアルタイムの降水量と降っている場所を表示させます。
・地震計ネットワークシステム
全国717か所に設置された地震計のデータを統計しているシステムで、橋やダムといった地震の影響を受けやすい河川の傍にセンサーが設置されています。
・GPS連動観測システム
国土地理院の管理しているシステムで、全国1000か所に設置されている電子基準点というGPS信号の目安となるポイントを観測する事で地震などの影響で地表がずれたり歪んだりする地殻変動を監視しています。
これらのシステムを活用して何時何処で災害が起こっているかを国土交通省は把握する事が出来るのです。
ここで知った情報は内閣府の危機管理センターにも送られ、災害時には国土交通省の災害対策本部が設置されます。
被害状況を瞬時に把握!
独自の情報収集能力で被災地の状況を把握する
大規模災害の時は自衛隊の偵察機や消防のヘリといった撮影手段で被災地の状況を集めていきます。
それとは別に国土交通省も独自の情報収集能力を持っています。
まず、現地映像・画像受信システムという国土交通省の地方整備局という支部に設置された固定カメラや衛生通信能力でカメラ映像を送る衛生通信車があり、39台の車両が全国に配備されています。
更に国土交通省が保有する5機のヘリから映像を送り上空からの映像を入手する為、全国44か所に受信基地局と移動式受信機を配備したヘリテレシステムと、ヘリが飛行している位置と撮影方向を示して被災地の場所を特定するヘリコプター位置情報システムを用いて被災地の現状を知る事が出来ます。
これで得た情報は受信基地局からの電波だけでなく通信衛星を介して防災センターに画像を送る事も出来ます。
迅速な救助を可能とする予想システム
地震の被害を予想し、素早い対応を実現!
防災センターには内閣府のシステムも連動しており、地震防災情報システムという特殊なシステムも用いられます。
これは地震発生から30分~40分ほどで建物や人的な被害を地震計などから得られたデータで予測し表示させるシステムです。
地震が発生して72時間が救助を待つ被災者の助かる可能性が変わる区切りになるという事もあり、迅速な被災地への救助活動を実現する為に有効なシステムです。
これらの情報を活かして、内閣府や現地の災害対策本部とテレビ会議システムを用いてリアルタイムで情報を共有し災害に対する活動の調整を行う事が出来ます。
国土交通省では高校生までを対象として、防災センターの施設見学も行っています。
もし、興味がありましたら国土交通大臣官房広報課へ問い合わせてみるといいでしょう。
まとめ
・国土交通省は全国の災害に関する情報を防災センターに集めている
・情報収集には国土交通省独自のシステムと関係機関のシステムを活用している
・国土交通省独自に現地の画像情報などを集めるシステムを持っている
・内閣府と連動して地震被害を予測し、救助活動を迅速に進められるシステムを持つ