ブラック企業でよく聞かれる言葉に、「お前なんかどこへ行っても駄目だ」「勤まらない」というものがあります。
これにはどのような意味があるのでしょうか。そして、この言葉の本当に恐ろしいところはどこなのでしょうか。
実際にブラック企業に勤め、そして正反対のホワイト企業に転職した人に、その意味と対策について聞きました。
「お前なんかどこへ行っても駄目だ」の2つの意味
ブラック企業では、非常に頻繁に、「お前なんかどこへ行っても駄目だ」という言葉が投げかけられます。
これは、ブラック企業側にとって非常に有意義な言葉だからです。
「お前なんかどこへ行っても駄目だ」と言われた時の社員の反応は、大きく分けて2通りあります。
1つは、うつむいて反論せずに落ち込むタイプ。
もう1つは、(たとえ言葉には出さなくても)反発するタイプ。
この言葉を投げかけた人間は、社員がどちらのタイプかをすばやく見抜きます。
1つめのタイプの場合は、同じように、「お前なんかどこへ行っても駄目だ」「だからうちの会社以外ではやっていけないんだぞ」と言い続けることで、精神的な隷属状態を作り出すことができます。
このような状態を作り出すことができれば、あとはブラック企業側にとって「使いやすい人材」に仕立てることはとても簡単です。
隷属状態にある人は、自信を完全になくし、自己否定的で、非常に卑屈です。「転職する」という考え方自体が頭に浮かびません。なぜなら、「自分は転職しても、どこにも受け入れてもらえない。なぜなら自分はだめな人間なのだから」と思い込んでいるからです。
こうなればブラック企業にとってはしめたもので、低賃金で長時間労働をどんどん課すことができます。
反発心を持つタイプと対策
後者の人は、ブラック企業にとっては使いにくい人材です。ただこの場合でも、「じゃあ辞めます」といって辞めてくれるため、「使いにくい人材を排除する」という意味では有用です。
言ってみれば、「お前なんかどこへ行っても駄目だ」という言葉は、「奴隷にさせられる人材か、追放したい人材か」を振り分けるためのふるいなのです。
「お前なんかどこへ行っても駄目だ」という言葉をかけられたときにどちらの考えを持てるか、ということは、人によって異なります。
ただ、学生時代からの趣味などを続けている人は冷静な視点を持ちやすいという特徴があります。このような人は、趣味の場で評価され、自信を持たせられる経験をしているからです。趣味の場で培われた自尊心は、仕事場で理不尽な言葉を言われた時の反発心を生み出すことに繋がります。
まとめ
・「お前なんかどこへ行っても駄目だ」という言葉はふるいである
・奴隷か、それとも追放かをそこで見極める
・趣味を続けている人は冷静な視点を持ちやすい