皆さんは住んでいる周辺の地域の方と良好な関係を築けていますか?
『私はマンションで暮らしているけど、隣に住んでいる人の名前が分からない』、『顔は知っているけど、あまり仲は良くない』など、最近はあまり地域コミュニティーに参加していない、という方は多いのではないでしょうか?
実際に私も東京のアパートに住んでいた時は、隣の人の顔は知っているけど名前は知らない……というような状況でした。
ですが今後起こりうる、自然災害や火災・防犯を考えれば、近所の方と良好な関係を築きたいですよね。
そこで今回は、日本の地域コミュニティーの現状を紹介するとともに、全国で行われている地域コミュニティーを復活させる活動をご紹介します。
日本の地域コミュニティーの現状
都市部や地方で衰退傾向にある
近年、日本の総人口が減少するとともに、地方の過疎化、都市部での人間関係の希薄化が深刻となっています。
「ベッドタウンなどの、住民が昼間に地域にいないことによるかかわりの希薄化」
「コミュニティー活動のきっかけとなる子どもの減少」
「住民の頻繁な入れ替わりによる地域への愛着・帰属意識の低下」
などが地域コミュニティー衰退の原因であると考えられています。
確かに頻繁に住民が常に入れ替わるような都市部では、せっかく近所に住んでいる方と仲良くなってもすぐに関係が引き離されてしまいますよね。
また地方でも人口減少が続いており、人間関係の希薄化やコミュニティー活動の減少が都市部と同じように進むのではと懸念されています。
このように日本全体で地域コミュニティーは衰退が進んでいて、今後起こりうる自然災害や火災などの防災面、窃盗や住居不法侵入などの防犯面について弱くなるのではと心配されています。
地域コミュニティーの重要性
防災や防犯、そして復興
ではこの地域コミュニティーの衰退を抑えるには、どうすればよいのでしょうか。
今回は、東京都北区と福島県いわき市の2つの事例を見ていきましょう。
まず東京北区の『地域のきずなづくり推進プロジェクト』です。
参考リンク:東京都北区ホームページ
この活動は、都市部の地域間コミュニケーションが希薄化する中、地域における人と人とのつながりを密にし、人々が地域への愛着を深めるとともに積極的に地域活動への参加を推進する取り組みとなっています。
活動の内容としては、毎年10月を『北区きずなづくり月間』と定め、ボランティア活動やお祭りなどのイベントを開催しています。
また、地域住民・学校・病院・企業・消防・警察などが連携し、いざという時のために地域の特性に合った防災訓練を行っています。
地域で防災訓練を行うのはとても素晴らしいことですよね。
このコミュニティー活動を通して、多くの方とつながり、支えあう関係が築けるのではないでしょうか。
また東日本大震災からの復興を進めている福島県いわき市でも地域コミュニティーの再構築が行われています。
県では、いわき地域で被災された方や避難している方同士、そしていわき市地元の方々との交流を促進し、コミュニティーの維持・再構築をする活動に補助金を出して支援しています(現在は新規募集を終了)。
参考リンク:福島県ホームページ
復興庁でもこうした地域コミュニティー施策について重視しており、「心の復興」と題して災害公営住宅などで新たなコミュニティーを構築する手助けなどを積極的に行っています。
地域コミュニティーの再興は防災や防犯のためだけではなく、復興という面においても重要な課題でもあります。
皆さんもボランティアやお祭り、習い事など積極的に地域コミュニティー活動にぜひ参加してみてください。
まとめ
・現在、人口減少や高齢化などの問題で、日本の地域コミュニティーは衰退している
・地域コミュニティーを活性化するために、都市部や地方で多くの取り組みがなされている
・地域コミュニティーの再興は防犯・防災に役立つ上に、震災からの復興においても重要な課題