みなさんは、今注目のDASH食とはどのようなものかご存じでしょうか?DASH食とは、血圧を下げる効果がある食事療法です。アメリカで研究され、高血圧を防ぐ効果が高いと認められています。アメリカと日本では食生活が異なりますが、国内における高血圧患者は4,000万人以上いると言われています。高血圧は他人事ではなく、誰でもなる可能性があるものです。高血圧をそのままにしてしまうと深刻な病気を引き起こすリスクが高まります。
この機会に食生活を見直し、健康に気を配りましょう。今回は、DASH食について詳しくご紹介いたします。
DASH食とは
DASH食とは、血圧を低下させる効果が高い食事療法のことです。Dietary Approaches to Stop Hypertension(高血圧を防ぐ食事法)の略語です。アメリカの研究で高血圧を防ぐ効果が高いと認められているのです。日本はアメリカと食生活は異なりますが、高血圧患者が多い日本人にも有効な食事方法がDASH食となります。
DASH食を始めるポイント
それでは、DASH食は具体的にどのような食事療法なのでしょうか。DASH食のポイントは、特定の栄養素を積極的に取り入れること、その一方でコレストロールと飽和脂肪酸を減らすことです。
必要な栄養素は次の通りです。
・カリウム(尿の排出を促し血圧を下げる)
・マグネシウム(必要以上の血圧収縮を抑える、血圧の拡張を促す)
・食物繊維(余分な脂質や糖質を排出し、血圧上昇を抑制。動脈硬化予防につながる)
・カルシウム(マグネシウムや食物繊維と一緒に摂取することより血圧降下作用が生まれる)
・タンパク質(血管の健康を保つ)
これらの栄養素を多く含む食品は、野菜(人参、ブロッコリー、小松菜等)、果物(バナナ、アボカド等)、きのこ類、海藻類、低脂肪牛乳、乳製品、大豆製品、アーモンドやピーナッツ等の種実類、穀類、豆類、魚類、赤身の肉類、卵類等です。一種類のみを食べるのではなく、バランスよく食事に積極的に取り入れることによって血圧を下げる効果が高くなります。
ちなみに、腎臓機能が低下している人はカリウムをとりすぎると排泄機能に影響を及ぼすことがあります。カリウムの過剰摂取により、高カリウム血症のリスクが高まるのです。DASH食は、腎機能や糖尿病等の人に向かないとされているので、基礎疾患がある場合は医師に相談した方がいいでしょう。
飽和脂肪酸やコレステロールを多く含む食品は、レバーやバター、高脂肪牛乳、卵、脂身が多い肉等です。DASH食では、これらの食品は控えめする必要があります。
とはいえ、食べてはいけないものばかり増えるとストレスにつながるものです。それであれば、飽和脂肪酸やコレステロールを減らした分、体に良い栄養素が含まれた食品を多く食べるようにするとストレス軽減につながるのではないでしょうか。血圧の高さが気になる人は是非、DASH食を意識して取り入れましょう。
また、高血圧の原因は喫煙や肥満、ストレス等様々あるが、塩分の摂りすぎにも大きな問題があります。高血圧予防には減塩が必要不可欠です。ただし、減塩を意識しすぎると長続きしないので、献立の中で1品だけ好きなものを食べ、他の料理を減塩にするという方法もあります。減塩は習慣化させた方がいいことなので、無理なく続ける為の工夫も必要です。
血圧が高くなる原因である塩分過多。DASH食と併せて、塩分量にも気を付けましょう。
まとめ
・DASH食とは血圧を低下させる効果が高い食事療法
・DASH食のポイントは特定の栄養素を取り入れ、コレステロールや飽和脂肪酸を減らすこと
・特定の栄養素をバランスよく食事に取り入れる
・DASH食は腎臓機能や糖尿病の人向けではない
・高血圧は塩分過多も原因なのでDASH食と併せて減塩にも気を付ける