手軽で使いやすい電気ストーブは、寒い冬を乗り切るうえでの強い味方ですよね。石油ストーブと比較すると火災のリスクが低いイメージもあります。ところが東京消防庁の調査によると、平成28年に起きたストーブ由来の火災の76パーセントが、電気ストーブが原因で発生していることがわかります。まだまだ寒い季節が続きます。電気ストーブの正しい使い方をマスターして、火災予防を心がけましょう?
電気ストーブで火災が発生するのはなぜ?
電気ストーブは発熱体を電気であたため、熱を得るストーブのことです。石油ストーブやガスストーブのように燃料を直接燃やしているわけではないので、空気が汚れる心配がありません。一方で、電気ストーブによる火災は石油ストーブによる火災よりも頻繁に発生しています。それはなぜなのでしょうか。
電気ストーブによる火災は、ストーブと燃えやすいもの(着火物)が接触することで起こるケースがほとんどです。東京都生活文化局の実験によると、電気ストーブの前面から5センチ以内に綿布団を置いたところ、約11分で発煙しています。ストーブと布団を30センチ離しても、布団の表面温度は100℃に達することがわかります。電気ストーブの側に物を置く行為は、火災のリスクを非常に高めると言えるでしょう。
電気ストーブによる火災を防ぐための正しい使い方
①燃えやすいものを置かない
電気ストーブの側で洗濯物を干したり、電気ストーブを寝具の側に置いたまま眠ったりしていませんか?あるいは電気ストーブの側で新聞や雑誌を読んで、そのまま放置してしまうこともあるでしょう。既にご紹介したとおり、電気ストーブによる火災はストーブと着火物とが接触することによって起こります。電気ストーブによる火災を防ぐためには、ストーブの側に燃えやすいものを置かないようにすることが最も効果的と言えるでしょう。
寝具・衣類などの繊維製品や紙製品は、電気ストーブ火災の原因となりやすいです。「電気ストーブの側で洗濯物を乾かさない」「ストーブの側に布団を置かない」「雑誌類は遠ざける」など、電気ストーブの側でこれらの製品を使う時は細心の注意をはらいましょう。
また、電気ストーブは持ち運びに適しているため、狭い場所で使用する機会が多いという特徴があります。電気ストーブを狭い場所で使用する時は、熱源と着火物との距離が近くなりがちです。狭い場所で使用する時は、ストーブと周囲の物とがなるべく離れるように考慮しましょう。最低でも1メートル以上離すと安心です。
②側を離れる時は電源を切る
電気ストーブは「火を使っていない」という安心感心から、電源をつけっぱなしにしてしまいやすいです。電源をつけたままその場を離れると、火災に発展するリスクがより高まります。ストーブの側から離れる時は必ず電源を切りましょう。使用しない時は電源プラグをコンセントから抜いておくと、より一層安心です。
③就寝中は使用しない
電気ストーブによる火災は就寝中に発生しやすいです。電気ストーブと布団との距離を十分に確保したつもりでも、寝返りなどによって布団がずれてしまい、ストーブに接触して発火する可能性は極めて高いでしょう。就寝中は火災の発生に気づきにくいため、消火に手間取ったり命を落としたりする危険が高まります。電気ストーブを就寝中に使用することは止め、寝る前に必ず電源を切りましょう。
まとめ
・電気ストーブによる火災は、石油ストーブによる火災よりも頻発している
・電気ストーブと着火物が接触することによって火災が起こる
・電気ストーブの側に燃えやすいもの(寝具・衣類・紙製品)を置かない
・使わない時は電源を切る
・就寝中は使用しない