車を運転していると、「交通事故」「接触事故」「煽り運転」など、様々な事故トラブルに巻き込まれる可能性があります。このようなトラブルが起こった時に問題となるのは、「どのような状況で事故が起こったのか」「自分と相手のどちらに過失があるのか」といった点です。当事者双方が異なる主張をし、争いに発展するケースが後を絶ちません。そこで事故トラブルから自分を守るために、事故が起こった状況を記録して保存する「ドライブレコーダー」が注目を集めています。今回は運転中のトラブルからあなたを守ってくれる、ドライブレコーダーの仕組みと使い方についてご紹介します。
ドライブレコーダーとは
ドライブレコーダーとは車内に搭載した映像録画機器のことで、交通事故が起こった時の状況を、画像、動画、音声データで記録することができます。ドライブレコーダーで記録されたデータは、裁判で証拠として提出することができます。自分が正しいはずなのに互いの証言が食い違った場合に証拠として提出すると、賠償トラブルを避けたり相手に損害賠償を請求したりすることができます。ドライブレコーダーは事故トラブルが起こった時に、自分の主張を裏付けてくれる重要な存在と言えるでしょう。
“録画されている”という事実は、ドライバー自身の注意力を引き立てる効果もあるようです。国土交通省「平成18年度映像記録型ドライブレコーダーの搭載効果に関する調査」では、ドライブレコーダーを搭載したトラック事業者・バス事業者ともに、事故発生率が減少しています。ドライバーの注意力を喚起し、事故を軽減するという意味においても、ドライブレコーダーを導入する意義は十分にあるでしょう。
ドライブレコーダーは、事故を直接防止するものではありません。ですが事故後のトラブルや、事故防止のために大きな役割を果たしています。これからは車の標準的な備品として、さらに普及していくことが予想されます。
ドライブレコーダーの仕組み
ドライブレコーダーにはカメラが内蔵されています。ドライブレコーダーはこのカメラで前方の映像を常に撮影しつづけており、交通事故の衝撃や急発進・急ブレーキなどの反動を受けた時にレコーダー内蔵のセンサーが反応し、衝撃の前後数十秒間の映像をSDカード等の記録媒体に保存します。
ドライブレコーダーを起動するための電力は、バッテリーから供給されます。そのため、ドライブレコーダーはエンジンを入れると起動し、エンジンを切ると停止します。レコーダーによっては、自分で撮影開始スイッチを入れる機種もあります。
録画可能時間はカメラの解像度や用いる記録媒体によって異なりますが、一般的には1~2時間程度とされています。レコーダーごとに使用できる記録媒体の容量が決まっているため、長時間撮影をしたい場合は長時間撮影可能なレコーダーを購入しましょう。
ドライブレコーダーの使い方
ドライブレコーダーは、運転中常に電源を入れておく必要があります。既にご紹介したとおり、一般的なレコーダーはエンジンを入れると、自動的に撮影が開始されるようになっています。万が一の時の映像を記録するためにも、「意図的に電源を切る」などの撮影を停止する行為はしないようにしましょう。
ドライブレコーダーの取り付け位置は「フロントガラス全体の上部20%以内の範囲」とされています。設置位置を間違えると視界不良から事故を誘発したり、車検に通らないことがあったりするので注意しましょう。
まとめ
・ドライブレコーダーは、事故後トラブルが起こった時の証拠となる
・ドライブレコーダーはドライバーの注意力をあげる効果がある
・ドライブレコーダーは急な動きや事故の衝撃で映像が保存される
・多くのレコーダーはエンジンと連動しているため、手動で起動させる必要はない
・ドライブレコーダーを設置する時は、設置位置に気を付ける
参考サイト
◆国土交通省:「平成18年度映像記録型ドライブレコーダーの搭載効果に関する調査」
◆国土交通省:「事故が起きてしまったとき、事故の映像を記録するドライブレコーダー!」