土砂崩れや土石流、地すべりは土砂災害の一種です。近年、ゲリラ豪雨や台風など、一歩間違えば災害となる可能性のある気象状況が多く見られるため、これらの前兆を知っておき意識しておくと、異変にいち早く気づき避難することができるかも知れません。
他人事と思っている人もいるかも知れませんが、こうした土砂災害が起こる危険があるとされている地域は全国で53万箇所にも及ぶと言われています。また、年間で平均1,000件前後の土砂災害が起こっているのです。
誰もが遭遇する可能性があると考え、一度確認しておきましょう。
土砂崩れ・土石流・地すべりの違いについて
土砂崩れは斜面崩壊と言われ、山や崖の地肌や岩石などが崩れ落ちることです。山崩れや崖崩れも土砂崩れと同じく斜面崩壊の一種です。
30度前後の斜面で高さが5m以上ある場合に起こる可能性があり、土砂が広がると考えられる範囲は崩れた斜面の2~5倍とも言われています。水分を多く含む場合には特に、被害が大きくなる傾向があります。
土石流は、大量の水と共に土砂や岩石が川を流れる状態のことを言います。数㎞先の下流まで被害を及ぼす可能性があるため、土砂崩れよりもさらに広範囲に渡って注意が必要でしょう。家屋や樹木なども共に押し出すように流れるため、被害が大きくなる危険性が高いです。
地すべりは、斜面などを土や砂が滑り出すことですが、突然、急激に崩れ落ちる土砂崩れとは違い、ゆっくりと移動するような現象です。ただし、移動していく土塊の量が大きいため被害も大きくなるのです。
土砂崩れ・土石流・地すべりなどの土砂災害の原因
土砂崩れ・土石流・地すべりは、いずれも長雨や豪雨、または雪解け水と共に地震も要因のひとつです。地震が起こり緩んだ地盤に水分が含まれれば、さらに崩れやすくなるでしょう。また、地震の規模によっては雨が降っていなくても土砂災害に見舞われるか場合があります。
激しい雨が続き、地中に含まれる水分の量に比例して規模が大きくなる傾向がありますが、土石流は特に、短期間の豪雨により発生の確率が高まります。また、雨が上がった後2~3時間後までは注意が必要と言われているため、安心はできません。
土砂崩れ・土石流・地すべりの前兆
土砂崩れの前兆として考えられるのは、起こる可能性がある斜面にひび割れや変形が見られたり、小石が落ちてくること。また崖などの斜面から水が湧き出るように流れたり、逆に湧き水や地下水などが止まるなどの現象があります。
近くで土石流や土砂崩れなどが起こっている場合、木々が折れる音や山全体がうなるように響く山鳴り、川の水流が急激に増えたり濁りが見えることが考えられます。
さらに、土臭さや酸っぱい匂いなど普段はしないような匂いが漂い始める場合もあるでしょう。また逆に川の水位が急激に下がることがありますが、この場合には遠方ですでに土砂崩れが発生している可能性があるため注意が必要です。
まとめ
・土砂崩れよりも土石流や地すべりの方が被害の範囲が広くなる傾向がある
・土砂崩れ・土石流・地すべりは、どれも豪雨や台風などの大量の水分、また地震が影響して起こる可能性がある
・斜面崩壊の前兆がないかを注意深く観察することが身を守ることに繋がる
参考サイト
◆砂災害の危険箇所は全国に53万箇所!土砂災害から身を守る3つのポイント 政府広報オンライン
◆土砂災害防止法の概要 - 国土交通省