2019年6月末から7月頭にかけて九州南部を記録的大雨が襲いました。それによって土砂災害が発生し、2名の方が亡くなりました。
2018年7月に発生した平成30年7月豪雨(西日本豪雨)では広島県・岡山県を中心に土砂災害・洪水・河川の反乱などの災害が発生し、224名の方が亡くなっています。
土砂災害は毎年のように発生します。また命の危険を伴う災害であることから、危機意識を持って備える必要があると言えるでしょう。今回は土砂災害が起こった際に被害が予想される「土砂災害警戒区域」について説明します。
土砂災害警戒区域とは

国土交通省によると、土砂災害警戒区域は「土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律」(通称:土砂災害防止法)によって制定され、「急傾斜地の崩壊等が発生した場合に、住民等の生命又は身体に危害が生じるおそれがあると認められる区域」のことです。つまり、土砂災害が発生する恐れのある場所であり、なおかつ発生した際に命に危険が及ぶ地域のことです。
この他にも「土砂災害危険箇所(土砂災害が発生する危険がある場所)」「土砂災害特別警戒区域(土砂災害が発生する恐れがあり、発生した場合には住民の命や体に著しい危険がある場所)」などが指定されています。
土砂災害警戒区域に指定されている場所に住んでいる・勤務している場合は、土砂災害が起こる前に命を守る行動を起こす必要がありますし、警報等が発令された場合は迅速に避難をする必要があります。
ハザードマップで身近な土砂災害警戒区域を確認しよう

土砂災害から命を守るためにも、自分の住んでいる場所・長時間滞在する場所が、土砂災害警戒区域に指定されているかどうか確認しましょう。自治体が発行している土砂災害ハザードマップや、ハザードマップポータルサイトで調べることができます。調べ方がわからない時、調べてみたけどよくわからない時は、自治体の防災担当者に問い合わせてみてください。災害から身を守るためには「わからないままにしない」「曖昧な理解に頼らない」ということも大事です。
紙媒体のハザードマップには「手元に置いておくことができる」「繰り返し確認できる」「避難場所などが記載されている」といったメリットがあります。可能ならば紙媒体のハザードマップを入手しておきましょう。
紙媒体がすぐに入手できない時は、スマートフォンなど手元で確認できる手段を用意しておきましょう。
どんなことに気をつければいいの?

もしも自宅や身近な場所が土砂災害警戒区域に指定されていた場合、どんなことに気をつければよいのでしょうか。
第一に、天気予報に注意しましょう。雨が降り出したら天気予報をこまめにチェックします。注意報・警報・特別警報や、避難勧告・避難指示などの情報を入手し、早めの避難を心がけてください。避難指示が出た段階では遅いことがあるので、早め早めの避難を心がけましょう。
「川の水が濁っている」「土の臭いなどいつもと違う臭いがする」「斜面から音がする」「地鳴りがする」「地面に亀裂が入った」などいつもと違うことが起こった時は、土砂災害の予兆かもしれません。早めの避難を開始してください。
土砂災害から命を守るためには、日々の行動も重要です。定期的に避難経路や避難場所を確認しておきましょう。いざ土砂災害が起こった時は、予定していた避難経路が埋まって通れなくなる可能性があります。避難経路を確認する際は、複数の経路を確認しておきましょう。
まとめ
・土砂災害警戒区域とは、土砂災害が発生した際に命や体に危害がある恐れがある場所
・身近な土砂災害警戒区域を確認しておく
・雨が降り出したら天気予報をチェックし、避難体制を整える
・いつもと違うことが起こったら、早めに避難をする
・日頃から避難経路、避難場所、避難体制などを確認する