気象庁が2018年11月21日に発表した天候見通し予想によると、2018年12月~2019年2月にかけて暖冬傾向になるようです。暖冬傾向になる原因は、エルニーニョ現象の発生にあります。エルニーニョ現象とは、一体どのような現象なのでしょうか。
今回はエルニーニョ現象について理解を深めるとともに、暖冬傾向の冬を安全に乗り切るための対策を考えてみましょう。
エルニーニョ現象とは
エルニーニョ現象とは、太平洋中央部から南米沿岸にかけての海面水温が、平年よりも高くなる現象のことを指します。エルニーニョ現象が発生すると、偏西風の進路が北へずれ、暖かい空気が日本列島に流れ込みやすくなります。そのため、エルニーニョ現象が発生している年は、暖冬傾向になります。
気象庁「エルニーニョ現象発生時の日本の天候の特徴」によると、エルニーニョ現象が発生した年は、東日本・西日本を中心に平均気温が高くなる傾向があります。一方で北日本の平均気温は例年と変わらない傾向が強いようです。暖冬傾向といっても地域差があるため、気象庁のサイトなどをチェックし、自分が住んでいる地域の傾向を知っておくことが大事です。
暖冬傾向でも気を付けたいこと
① 気温の変化に注意しよう
暖冬といえども、毎日暖かい日が続くわけではありません。暖冬の年は、寒い日と比較的暖かい日が交互にやってくるなど、前日との気温差が大きくなることがあります。また、最低気温と最高気温に開きがあるなど、1日の中で大きな気温差が生じることがあります。気温差が激しいと自律神経の働きが乱れ、体調を崩したり、免疫力が低下して風邪をひきやすくなったりします。
暖冬を元気に乗り切るためには、気温に関する情報をこまめにチェックし、体調を崩さないように衣服などで上手に調節するようにしましょう。着脱しやすい防寒着などを早めに揃えておくと安心です。
② 雪の対策を怠らないようにしよう
暖冬と聞くと積雪が少ないイメージを持つでしょう。ところが、暖冬だからと言って全く雪が降らないわけではありません。株式会社ウェザーニュースによると、今年の冬の降雪量は、「西日本・東海・北陸で平年並か少ない、関東甲信で平年並か多い、北日本で平年並」になるようです。寒気が流れ込むことによって、一時的に大雪が降ることも考えられます。
雪害を予防するためにも、毎年降雪がある地域にお住いの方は、暖冬傾向だからといって雪への対策を怠らないようにしましょう。雪かきの道具は、雪が降ってから準備したのでは間に合わないことがあります。雪が降る前に購入しておきましょう。降雪が少ない地域で降雪があると、「交通機関が乱れる」「数日買い物に行けない」といった事態が起こることが予想されます。降雪が少ない地域にお住いの方は、雪の予報が出た時の対処法や雪が降った時の対処法を早めに確認しておきましょう。
また、雪が積もった後に気温が高い日が続くと、雪崩が起こりやすくなります。雪崩は山や急な斜面だけでなく、崖・屋根の上に積もった雪など、身近な場所でも起こります。雪が降った後に気温が上昇した時は、雪崩にも注意してください。
まとめ
・エルニーニョ現象とは、太平洋中央部から南米海岸にかけて、海面水温が上がる現象
・エルニーニョ現象が発生すると、日本では暖冬傾向になる
・暖冬傾向でも、気温差による体調不良や雪害への対策を怠らないようにする
参考サイト
◆気象庁:「季節予報」
◆気象庁:「エルニーニョ現象発生時の日本の天候の特徴」
◆ウェザーニュース:「2018年11月20日」