みなさんは、新元号を利用した詐欺が発生していることをご存知でしょうか。現在、平和から令和という改元にちなんで、日本全国で令和のグッズ販売やキャンペーンなどが多数行われています。新たな始まりを祝福している人が多いなか、気持ちを踏みにじるような卑劣な犯罪が起きているのです。
令和を迎えるとき、詐欺の被害者にならないように新元号の詐欺とはどのようなものなのか見ていきましょう。詐欺の手口や被害状況を知ることで、被害者になるリスクを下げることができますよ。
新元号詐欺は高齢者が狙われやすい

国民生活センターに寄せられた相談内容をいくつか見てみると、高齢者からの相談が多いことが分かります。つまり、新元号詐欺で狙われやすいのは高齢者ということです。
詐欺に遭わないように、本人だけではなく家族も警戒するようにしましょうね。気になることがあったらすぐに最寄りの警察に相談しましょう。
新元号詐欺の手口

新元号詐欺の手口はいくつかありますが、まずは電話勧誘や自宅に商品を送りつけるというものから見ていきましょう。
この場合、一般家庭に電話をして天皇陛下ご退位を記念した写真集や皇室のアルバム、カレンダー、掛け軸など、数万円の商品を購入するように勧められます。しつこく言われると断りにくかったり、「記念」「今しか買えない」などという言葉に惹かれて思わず購入を決めてしまうことがあります。
特定商取引法では、電話勧誘販売のクーリング・オフができる期間は8日間と定められています。一定期間内であれば、一方的に契約を解除できるのです。返品を考えているのであれば、期間内に書面で契約解除の旨を通知しましょう。
場合によっては、断ったはずなのに一方的に皇室の写真集やアルバムを送りつけられることがあるようです。購入していない商品が送られてきたら代金を支払わず、受け取り拒否をしましょう。既に受取済みの場合であれば、特定商取引法で受け取った日から14日間は商品を保管しなければならないものの、期間が過ぎれば処分しても構わないことになっています。当然、購入していないので支払う義務はありません。
次のケースは、銀行協会を名乗った団体から、「改元により銀行法改正になるので、書類の必要項目に記載して返送する必要がある」と言われたというもの。
送られてきた書類には、個人情報や口座情報、暗証番号の記入欄、キャッシュカードを送付するように指示する記載があります。書類が送られてくるだけではなく、電話や職員の訪問などのパターンもあるようです。
金融機関は、キャッシュカードの送付や暗証番号を聞くことはないので絶対に教えてはいけません。たとえ「改元に伴う不正防止のため変更手続きが必要」「改元でキャッシュカードが使えなくなるので、手続きしなければならない」などと言われても、全て嘘なので信用しないでくださいね。
大手携帯電話会社を名乗った新元号詐欺もあります。例えば、新元号に改元するにあたり新プランへ移行するという文面とURLが送られてきます。クリックすると、個人情報を入力するページにつながるというものです。携帯電話会社でも注意喚起されていますが、これはなりすまし詐欺なのでクリックしたり、個人情報を入力してはいけません。
または、「改元でスマートフォンやアプリ使えなくなるので、引き続き使うためにはアプリをインストールしなければならない」というメールが送られてくるパターンもあります。指定されたアプリをインストールすることによって、個人情報が流出したりウイルス感染する危険性があるので要注意ですよ。改元しても、スマートフォンやアプリは使えます。
新元号詐欺は、様々な手口で金銭や個人情報を奪おうとします。「新元号」「改元」などに便乗するものには気をつけましょうね。
まとめ
・新元号詐欺は高齢者が狙われやすい
・電話勧誘、商品の送り付け、金融機関や携帯会社を名乗ったものなど様々な手口がある
・期間内でクーリングオフができる
・改元によりキャッシュカードや、スマホ、アプリが使えなくなることはない
参考サイト
◆独立行政法人国民生活センター「新元号への改元に便乗した消費者トラブルにご注意ください!」
◆ NTT docomo「あんしんセキュリティ」
◆ 警察庁「特殊詐欺対策」