突然襲ってくる腰の痛み――ぎっくり腰に悩まされた経験はありませんか。一度経験した方は二度と経験したくないと思うでしょうし、ぎっくり腰になったことのない方は、健康な状態を維持したいですよね。
季節の変わり目は体調を崩しやすい時期でもあります。ぎっくり腰の予防法や、対処法について理解を深めておきましょう。
ぎっくり腰とは
ぎっくり腰は「急性腰痛」と呼ばれる腰痛の一種で、腰部に襲ってくる急激な強い痛みが特徴です。動かすと痛みが激しくなることから、腰を曲げたり伸ばしたりする動作が難しくなることもあります。
ぎっくり腰は「重い物を持ったとき」「腰をねじるなどの動作を行ったとき」などに起こることが多いです。他にも、「朝起き上がるとき」「立ち上がろうとしたとき」「お辞儀をしたとき」「靴下を履こうとしたとき」「顔を洗おうとしたとき」など、日常的な動作の際に起こることもあります。誰もがなる可能性があり、また様々なタイミングで起こり得るということを知っておきましょう。
予防法はあるの?
ぎっくり腰予防のためには、重い物を持つときに、腰だけで持ち上げようとしないことが大切です。荷物の側でいったんしゃがみ、ゆっくりと立ち上がるようにしましょう。腰にかかる負担を分散することを意識して動いてみてください。
膝を曲げずにものを持つ行為、重い物を持ったまま腰をひねる行為は、ぎっくり腰を誘発しやすくなります。また、ハイヒールなど足元が安定しない履物で物を持つ行為も、腰に大きな負担がかかります。やめるようにしましょう。
日常生活の中では腰に負担がかからないように、正しい姿勢を心がけることを意識します。まずは「急激な動作を避ける」「長時間同じ姿勢をとらない」といった点を心がけましょう。布団やベッドから起き上がるときは横向きになり、手をつきながら体を起こします。椅子から立ち上がるときも、手を使って体を支えるようにしましょう。膝を伸ばしたまま前かがみになる行為(靴下をはく、顔を洗うなど)も腰に負担がかかります。膝や股関節も使いながら、腰の負担を分散させるようにしましょう。
ぎっくり腰を予防するためには、腰周辺の筋肉を鍛えたり、筋肉や関節を柔軟な状態に保っておくことも効果的です。まずは体操から取り入れてみましょう。筋トレをするときは、腹筋、背筋、腸腰筋など腰周辺の筋肉をバランスよく鍛えることを意識してみてください。
急激な運動は腰痛を起こすことがあります。また、痛みがあるときに無理して行うと、かえって悪化することもあります。体と相談しながら負担なく取り入れていきましょう。
ぎっくり腰になってしまったら?
ぎっくり腰になった直後は、安静にすることが第一です。「膝を軽く曲げて横向きで寝る」「仰向けになって少し膝を曲げる」など、楽な姿勢を取るようにしましょう。
痛みが和らいできたら、筋肉が固まったり衰えたりすることを予防するために、無理のない範囲で動かしていきます。発症後2~3日経ったあたりが目安とされています。
自己流のマッサージなどは、症状を悪化させる恐れがあるのでやめましょう。
症状が良くならない場合は?
激しい痛みの他にしびれなどの症状がある、力が入らないなどの症状がある場合は、別の病気が疑われることもあります。また、ぎっくり腰の他にも、腰部に痛みを起こす病気はあります。症状が続く場合・症状が繰り返し現れる場合は、医療機関を受診するようにしましょう。
まとめ
・ぎっくり腰の特徴的な症状は、急激かつ強い痛みである
・重い物を持ったときに起こりやすい
・日常的な動作を行ったときに起こることもある
・重い物を持つときは、膝や股関節も使って持ち上げる
・予防には正しい姿勢や日頃の運動も効果的
・ぎっくり腰になった直後は安静にする
・痛みが和らいできたら少しずつ動かし、筋肉が衰えることを予防する