みなさんは、GISなるモノをご存じでしょうか?GISとは”Geographic Information System”の略語で、日本語では「地理情報システム」と呼ばれています。難しそうなイメージを持たれがちですが、実はとても身近な存在でGoogleマップも、GISを使った地図になります。今回はGISを、身近なGoogleマップを例に解説していきましょう。
基本を解説!GISはレイヤを重ねて構成される
GISは日本語で「地理情報システム」と呼ばれます。地図に情報を載せることができるシステムと、理解すると良いでしょう。GISではレイヤと呼ばれる層を、何枚も重ねて作っていきます。そしてできあがったレイヤ(層)を、真上から見ているのです。仮に、5レイヤ(5層)構造のGISがあるとします。
《真上から地図を見ている》
第5レイヤ(層):ファミレス(店名・営業時間・定休日・メニュー)
第4レイヤ(層):コンビニ(コンビニ名・営業時間)
第3レイヤ(層):川・水路(河川名)
第2レイヤ(層):建物(建物名)
第1レイヤ(層):道路(道路名)
このような感じでGISを構築した時に、第1レイヤから第5レイヤまで全て「ON」なら、「道路・建物・川や水路・コンビニ・ファミレス」が表示されます。第1レイヤと第2レイヤのみ「ON」で、他の第3~第5レイヤを「OFF」にすると、道路と建物のみとなります。このように、レイヤをON、OFFすることで、表示を切り替えることができるのがGISの特徴です。
各レイヤに情報を持たせることができる
GISの特徴はレイヤ表示だけでなく、各レイヤに属性と呼ばれる情報を、持たせることにもあります。先の説明で各レイヤの()内が属性となっています。道路なら道路名、建物には建物名を属性として格納します。そして、道路や建物をクリックすると、その属性が表示される仕組みを作ることができます。
例えば、第5レイヤのファミレスをクリックすると、「店名・営業時間・定休日・メニュー」を見ることができます。さらに、格納されている情報を頼りに、地図内で検索することが可能となります。
GISは地図表示・属性表示・検索などができるシステム
GISは地図表示・各レイヤの属性表示・属性を利用した検索などができるシステムを指して呼ばれています。表示できるのは地図だけでなく、航空写真や詳しいメニューの写真など、工夫次第でさまざまな表示が可能です。
GoogleマップでGISを解説
冒頭にGoogleマップも、GISを利用しているとお伝えしました。ここで、GoogleマップにてGISの仕組みを解説しておきましょう。先ずGoogleマップを起動すると、地図が表示されます。その地図には、道路や病院、学校、公共施設などの目標物がアイコンと文字で表示されています。スマホでは、航空写真が表示されている方もいるでしょう。ここでパソコンではマップの左下、スマホでは右上のひし形(◇)のマークをクリックまたはタップしてみます。すると、Googleマップに表示できるレイヤがいくつも現れるはずです。
地図上に航空写真をONする
では、地図上に航空写真を表示させましょう。レイヤから「航空写真」を選ぶと、地図が航空写真に変わります。この時、地図上に表示されていた目標物はそのままのはずです。次で、この目標物を消してみましょう。
目標物を全て非表示にする(パソコン版のみ)
先の航空写真を表示した状態で、「左下のレイヤ⇒詳細⇒右下ラベルのチェックを外す」この手順を実行すると、写真上から道路および目標物のアイコン、文字までも全て非表示となります。この機能はパソコン版のみで、スマホ版には搭載されていません。ですが、先の航空写真と同じように、レイヤのON・OFFでこのような操作ができるのも、GoogleマップがGISを利用しているからなのです。
目標物のアイコンをクリックすると属性が表示される
Googleマップに表示されている店舗のアイコンを、クリックまたはタップすると、店舗情報を確認することができます。これは、店舗情報を属性として格納しているから、表示されるようになっています。この機能も、GISの機能を利用したものです。
カーナビも身近なGISの一つ
今やほとんどの車に搭載されているカーナビも、GISを利用しています。カーナビはGISとGPSを組み合わせたシステムで、どちらが欠けても成立しないシステムとなっています。GISにて道路や施設の情報を表示して、GPSにて現在地の座標を取得しています。GISの特徴でもある属性で検索する機能も、カーナビではよく使います。目標物の施設名で行先検索したり、電話番号で検索したり、住所で検索して目的地を選びます。この検索も、それぞれ情報が格納されていないと検索できません。住所検索していると、番地を選べないことがよくあるはずです。これは、全ての番地を格納できていないからなのです。
まとめ
・GISはレイヤ(層)を重ねて構築される
・GISには属性として情報を格納できる
・属性を利用して検索も可能
・GoogleマップやカーナビはGISを利用している