子どもは興味をひくものを口に入れてしまったり、食べ物と勘違いして口に入れてしまったりすることがあります。身近なものや思わぬものが誤飲につながるケースがあるので、子どものいる家庭では誤飲につながりそうなものの置き場所や管理方法に注意をはらい、事故防止に努める必要があると言えるでしょう。
今回は、子どもの誤飲につながる身近なものについてお伝えします。
ルームフレグランス(芳香剤)
ルームフレグランスは、リフレッシュ効果やリラックス効果を高める効果があり、コロナ禍で自宅にいる時間が増えた昨今、需要が高まってきています。一方で、「良い香りがする」「形が食べ物に似ている」などの理由から、子どもが誤って誤飲してしまう恐れも高いです。
独立行政法人国民生活センターは、「リードディフューザー」と呼ばれる液体芳香剤を子どもが誤って飲んでしまう事故が散見されるとし、注意を呼び掛けています。他にも、ビーズやジェル状の固形の芳香剤を食べる・舐める事故や、アロマキャンドルを食べる・舐める事故などが発生しています。
ルームフレグランスの誤飲は悪心・嘔吐などを引き起こすとともに、大量に摂取すると意識障害や誤嚥性肺炎などを引き起こし、重症化や命の危険を伴うことがあります。乳幼児の手の届かない場所で使用する・保管することを心がけましょう。
洗剤
洗剤は香りや鮮やかな色合いが子どもの興味を引きやすく、誤飲につながる恐れがあります。特にジェル型の固形洗剤は形や色合いがゼリーに似ていることから、食べ物と勘違いして口に入れてしまうリスクが高いと言えるでしょう。
洗剤は毎日使うものであり、大人が便利な場所に置いてしまいがちですが、必ず子どもの手の届かない場所に収納するようにしてください。洗濯機や洗剤が置いてある場所にベビーゲートを設置するのも効果的な対策です。
化粧品
化粧品は毎日使用するものであり、子どもの手の届きやすい場所に置いてしまいがちですよね。化粧品には安全な成分が使われていることが多いですが、ヘアカラー剤・マニキュアや除光液などのネイルケア製品・除毛剤・香水などを誤飲した場合は危険度が高いため、一層の注意をはらって管理する必要があります。使用の度に子どもの手の届かない場所に片付けるようにしましょう。
殺虫剤
置き型の殺虫剤を口に入れる・舐める事故や、蚊取り用殺虫剤のマットや液体を口に入れる、スプレータイプの殺虫剤を吸い込むなどの事故が発生しています。殺虫剤は子どもの手の届かない場所で設置・使用・保管してください。スプレータイプの殺虫剤を使用する時は、子どもが側にいないことを確かめてから使用し、使用後は子どもの手の届かない場所で保管しましょう。
子どもの手の届かない場所とは?
子どもの手の届かない場所は、子どもの身長や家具の配置などによって条件が変わってきます。まずは自宅のどこが危険で、どこが安全かを確かめてみましょう。おもちゃやお菓子など興味を持ちやすいものを家の中に配置し、子どもがどれくらいの範囲まで手が届くのかを確認する方法がおすすめです。
棚の上など高い位置に収納しても、踏み台になるものが近くにある場合は、子どもの手が届く可能性があります。踏み台になりそうなものは片付けるようにしましょう。
ベビーゲートを設置して近づけないようにする・引き出しの奥など見えない場所にしまうなどの方法も取り入れてみてください。
まとめ
・芳香剤は子どもの興味をひきやすく、誤飲につながりやすい
・洗剤は使用の度に子どもの手が届かない場所に収納する
・化粧品や殺虫剤なども手の届かない場所で使用し、その都度片付ける
・子どもがどこまで手が届くのか、実際に確認しておく
参考サイト
◆独立行政法人国民生活センター「液体芳香剤の誤飲事故等に注意!-乳幼児がリードディフューザーの液を誤飲して入院する事故が発生-」