マイコプラズマ肺炎は、細菌による感染症です。1年を通して見られますが、特に冬場には患者数が増加傾向にあります。若い世代の肺炎の原因として多いのが、マイコプラズマ肺炎です。初期症状は風邪症状と似ていますが、頑固な乾いた咳が3〜4週間続くのが大きな違いでしょう。ほとんどは軽症で済みますが、重症化したり、合併症を起こしたりするケースがあるので油断してはいけません。
今回はマイコプラズマ肺炎の症状や感染経路、対策、子どもが罹患した時に病院を受診する目安までまとめてご紹介いたします。
マイコプラズマ肺炎とは
マイコプラズマ肺炎とは、マイコプラズマという細菌による感染症です。若い世代の肺炎の原因として多いのが、このマイコプラズマ肺炎です。子どもから大人まで誰でも罹る病気ですが、6~12歳の子どもが罹りやすいでしょう。特に、7~8歳の年齢がピークだと言われています。
感染経路は飛沫感染、接触感染となり、風邪やインフルエンザ等と同じです。学校や施設で集団感染を起こすことも多いでしょう。学校保健安全法では、マイコプラズマ肺炎を「その他の感染症」としています。その為、医師によって出席停止措置が必要になることがあります。
マイコプラズマ肺炎は1年を通して感染が確認されていますが、例年冬場に増加傾向にあります。以前は周期的に大流行していたのですが、近年では大規模な流行はみられません。
潜伏期間は2~3週間です。初期症状は発熱や全身倦怠感、頭痛等。その3~5日後から乾いた咳が出てきて、咳症状が強くなることが多いでしょう。他にも喉の痛みや耳痛、胸痛等の症状が表れるケースがあります。熱が下がっても、咳は3~4週間程度続きます。乾いた咳から湿性の咳に移行することもあります。
子どもは比較的軽い症状ですが、肺炎に進行する人もいます。また中耳炎や無菌性髄膜炎、心筋炎、胸膜炎、肝炎、脳炎等の合併症が現れることもあります。
マイコプラズマ肺炎の初期症状と風邪の症状はよく似ているので、区別するのは難しいでしょう。それでは、病院を受診するタイミングはいつなのでしょう。
目安としては、1週間以上咳が続く時は、一度医療機関を受診することをお勧めします。マイコプラズマ肺炎は、長期にわたる頑固な咳が特徴だからです。子どもであればぐったりしていたり、ひどい咳で眠れなかったり、呼吸が苦しそうであったりする場合も早めに受診しましょう。
マイコプラズマ肺炎は、抗生物質によって治療します。重症化した場合は入院を要した治療が必要となります。
マイコプラズマ肺炎を予防するには
マイコプラズマ肺炎に特化した予防法はありません。感染予防として大切なのは、手洗いやうがいを徹底することです。マイコプラズマ肺炎が流行する時期には、人混みを避けること、マイコプラズマ肺炎の患者との濃厚接触を避けることも重要です。外出する時にはマスク着用も忘れてはいけません。自身が咳をしている場合も、周囲に感染させないように咳エチケットを守りましょう。
集団生活をしていると、感染を予防するのは簡単なことではないかもしれません。ほとんどの場合は軽症で済みますが、場合によっては重症化することがあるので、冬場は特に感染症対策に努めましょう。
まとめ
・マイコプラズマ肺炎は細菌による感染症
・若い世代の肺炎原因として最も多い
・6~12歳の子どもが罹りやすい
・感染経路は飛沫感染、接触感染
・冬場に増加傾向にある
・長い期間続く乾いた咳が特徴
・子どもは比較的軽症だが1週間以上咳が続く場合は医療機関を受診する
・手洗いうがいを徹底する、人混みを避ける、マスクをする等が予防法
参考サイト
◆NIID国立感染症研究所 マイコプラズマ肺炎とは
◆厚生労働省 マイコプラズマ肺炎に関するQ&A 平成23年12月作成、平成24年10月改訂