1995年1月17日は阪神・淡路大震災(兵庫県南部地震)が発生した日です。この震災では、木造家屋の倒壊や大型家具の転倒によって、多くの方が犠牲になりました。
この機会に改めて、木造家屋の耐震化と家具固定の重要性と、具体的な取り組み方についてまとめます。
阪神・淡路大震災~死者の75%は、地震発生後15分以内に死亡していた
阪神・淡路大震災では6,000名以上もの方々が亡くなり、神戸をはじめとする多くの街が壊滅的な被害を受けました。地震後の調査で判明したことですが、死者のおよそ75%の方々は、地震発生後15分以内に亡くなっていたというのです。
その原因は、木造家屋の倒壊と、大型家具の転倒による、「窒息死」でした。
この事実はあまり大きく報道されることはなく、当時の大規模な火災や、自衛隊や救急隊の遅れが多数の死者を出した原因と勘違いしている方が、まだまだ多くいらっしゃいます。
しかし、実際は、地震発生直後に多くの命が奪われていたのです。
大地震から命を守るには、家屋の安全性が第一!
このような事実から、地震対策として早急に取り組むべきは「家屋の耐震化」と「大型家具の固定」と言えるでしょう。地震対策には優先順位があります。優先順位とは、「命を守るために必ず行う」順番があるということです。つまり、優先順位の高いものは「命を守ることに直結する、重要な行動・備え」ということです。地震発生前の取り組みが、生死を分けるといっても過言ではありません。
「家屋の耐震化」と「大型家具の固定」の2つは、最も優先順位の高い対策です。具体的にどのような行動を起こせばよいのかをそれぞれまとめてみましょう。
家屋の耐震化
・1981年5月以前に建てられた「旧耐震基準」の建物は、すぐに耐震診断を受けましょう。
・耐震診断は、実績のある会社(建築士)や日本木造住宅耐震補強事業者協同組合に加盟しているなど、耐震事業に積極的に取り組む業者さんにお願いしましょう。わからない場合は、お住まいの自治体に問い合わせましょう。耐震診断や耐震補強は、専門的な知識と技術を要します。
・耐震補強工事は必要な箇所に必要な補強を施す工事がメインです。なぜこの工事をするのか、説明をきちんと受けて、納得したうえで工事に入りましょう。
大型家具の固定
・まずは、寝室とキッチンにある大型家具(洋服ダンスや冷蔵庫、食器棚など、背が高く重量が重い家具)を固定しましょう。または、寝室以外に大型家具を置くことも検討しましょう。就寝時、大型家具が転倒して人を直撃することで命にかかわる事態になります。寝室にはなるべく大型家具を置かないことがベストです。どうしても置く場合は、倒れても人を直撃しない位置、出入口を塞がない位置に配置しましょう。
・冷蔵庫はキッチンの中で最も危険な大型家具です。倒れるとキッチンから脱出できない位置にある場合は、必ず固定しましょう。また、冷蔵庫は大切な「食料庫」でもあります。地震の後も、家屋と冷蔵庫が無事ならば、その後3日~1週間程度は冷蔵庫の食糧などでしのげるとも言われています。固定方法は、専用の転倒防止ベルトで壁にビス止めするか、大型の粘着系固定器具で冷蔵庫の頂部と壁を止めつけましょう。
震災の記憶、風化していませんか?
阪神・淡路大震災、東日本大震災、そして最近の熊本地震と、近年多発している大地震による災害ですが、時間が経つにつれその教訓は年々薄らいでいってしまいます。また同じ悲劇を繰り返さない為にも、今すぐできることを取り組んでみませんか?
地震による被害を減らすためには、一人一人の取り組みがとても大切です。ぜひ、地域全体の被害を最小限にするために、地震対策、始めてみてくださいね。
まとめ
・阪神・淡路大震災において、亡くなった方の多くは、家屋倒壊と家具の転倒によるものだった
・地震発生前の取り組みが生死を分ける!家屋の耐震化と大型家具の固定は今すぐ行う
参考サイト
◆SUUMO:「早わかり!耐震性の目安」
◆内閣府:「防災情報のページ / 阪神・淡路大震災教訓情報資料集【02】人的被害」
◆東京都防災ホームページ:「家具・家電転倒防止対策」