海外旅行でも日本にいるときでも、「トラブルがあったら警察へ」というのが防犯及び被害を拡大させないための鉄則です。しかし海外においては、この「警察」を装った犯罪があるのも事実です。
ニセ警官の犯罪の手口とは

ニセ警官による犯罪の手口は、少し手が込んでいます。これは多くの場合、3人組で行われます。
①最初にだれか1人が近づいてきて、ターゲットに道を聞く
②ニセ警官がやって来る
③ニセ警官が、「麻薬犯罪の捜査中である」などと言い、パスポートの提示やクレジットカードの提示、あるいは財布の提出を求めてくる(最初に道を聞いた人間が、快く求めに応じて見せることもある)
④提示したら、クレジットカードを抜き取ったり札だけをすりとったりする。場合によってはクレジットカードの番号を聞き出そうとする
⑤パスポートや財布が返却される
この犯罪の巧みである点は、「パスポートや財布はとりあえず返される」ということにあります。「クレジットカードの抜き取り」や「札の抜き取り」は、非常に注意深い人であっても抜き取られることに気づかないくらいにすばやく巧みなことが多く、すられたことに気づかないこともよくあります。
ニセ警官による被害を防ぐためには?
しばしば、「旅行者と分かる人間に、わざわざ道を聞く人はいない。そのため、声を掛けて来る人間はみんな犯罪者である」とする意見もありますが、これは必ずしも正しい考えともいえません。個人で、英語圏ではないところを回っていると、「個人で海外に来ているのだから英語は話せるだろう」ということで、実際に道に迷ったアメリカ人などに声をかけられることもあるからです。ただ、「声をかけてくる人は全員犯罪者だ」と警戒しておいた方が、犯罪にはあいにくいといえます。また、「わからない」「通じない」ときっぱり言って、求めに応じないようにすることも防犯対策となります。もし本当に捜査が必要な場合は、警察署などへの同行が求められるでしょう。
なお、海外の警察官はIDを持っているのでそれの提示を求めたり、「わからないので大使館に連絡する・してほしい」と主張したりするのも有効です。パスポートや財布は、相手が警察官のような格好をしていたとしても絶対に人に手渡さないようにします。
まとめ
・ニセ警官の犯罪は、3人組で行われることが多い
・パスポートや財布の提出を求められ、クレジットカードや札が抜き取られることがある
・人にパスポートや財布を預けない!
・「大使館に連絡してくれ」「IDの提示をしてくれ」というのも有効
・「人に話しかけられても一切無視する」も、犯罪を防止する意味では役立つ