お子さんを持つ親御さんにとって心配なのが、「子どもが犯罪に巻き込まれてしまわないか」ということなのではないでしょうか。特に休みの日などは不安ですよね。
そこでここでは、子どもを対象として起こる犯罪とその統計について見ていきましょう。
子どもを対象とする被害件数の推移
「子どもを被害者とする被害件数」については、どの項目もほぼ横ばいです。ただ、平成15年には2400件近くあった「強制わいせつ」が平成24年の段階ではほぼ半数にまで減少していること、逆に同じわいせつにあたる「公然わいせつ」の場合は2倍近くに増加しているという違いはあります。
ちなみにこの2つには違いがあります。公然わいせつはいわゆる「露出魔」などに代表されるように、わいせつ物を見せつけたり、人前でわいせつな行為をしたりすることです。強制わいせつは「脅迫などで相手の抵抗を防いでわいせつ行為を行うこと」ですが、今回のように、「13歳以下の統計」においては、たとえ合意があったとしても、「強制わいせつ」や「強姦」に分類されます。
強姦事件や強盗事件、暴行事件や傷害事件については、年によって多少の違いはあるものの、総じて横ばい傾向です。
子どもが巻き込まれやすい犯罪とは
ではここからちょっと一歩進めて、年齢・性別によって巻き込まれやすい犯罪についての数字を見ていきましょう。
「強制わいせつ」の対象となりやすいのは、やはり女児です。特に小学生までの子供がもっとも多く、2016年のデータでは、700件近い件数が記録されてしまっています。中学生でも500件近くの被害がでています。
「誘拐事件」については、未就学児童が31件、小学生で51件、中学生で24件です。未就学児童の間は親が目を離さず、中学生になるとある程度自衛ができるというのが大きいかもしれません。
ただし、暴行事件の被害者となるのは圧倒的に中学生が多い、という数字が出ています。ちなみに、わいせつ事件・誘拐事件などに巻き込まれやすいのは女児が多く、暴行の対象となるのは男児が多いという統計が出ています。
ちなみにこれらの犯罪が起きる場所としては、意外なことに、「道路上」がもっとも多く、しかも誘拐事件のうちの半分は「子どもが自らついていった」ということが原因で起こっています。
これらを避けるためには、防犯ブザーを持たせるだけでなくそれの使い方を教えたり、「怪しい人についていかない、ではなく、『親に必ず確認する』」という教育をしたりすることが大切です。子どもの判断能力は未熟なもの。「優しい人=あやしくない人」という認識をしてしまうことも多いものですし、大人が「○○ちゃん(友達)のお父さんだよ」などと言ったりした場合「知っている人」と誤認したりすることもあります。
まとめ
・子どもは誘拐事件やわいせつ事件に巻き込まれることがある
・それぞれで対象となりやすい年齢層と性別は異なる
・犯罪が起きやすいのは道路上
・「あやしい人についていかない」というだけの教育では不十分